16話 ページ17
竈門ベーカリーは大きくはないが、綺麗でいろんな美味しそうなパンが置いてあった。
「うわぁ、うまそっ」
「今は、俺と禰豆子と母さんで作ってるんだ!どれも美味しいぞ!」
『うん、本当に美味しそう』
「本当は、ここから好きなの選んで私たちの家で食べてくださいって言いたいんですが、試食をしてもらうのにお腹がいっぱいになってしまうのはダメなので、今日はすみません。今度来られた時には好き物を選んでください!」
『お家は近くなの?』
「家は隣です。」
『そうなんだ。その方が楽でいいね』
帰りが遅くなる心配もない。
・
「これが、禰豆子が書いたレシピ表でこっちがそのパンです」
試作品レシピと書かれたノートに書かれた文字は女の子らしく、少し丸めな字で、完成図として描かれた絵は上手かった。
「やっぱり禰豆子ちゃんは上手にまとめて書かれてるね!流石!」
「ありがとうございます。」
「まず、この最初のページのパンから試食してください」
手のひらサイズのシロップのかかった見るからに甘そうなパンを人数分に切り分け食べる。
「美味いな!」
「私もいいと思う!」
「そうか?もっとなんかこう…グッてくるのが足りないと思うんだよ。Aさんはどう思います?」
へにゃりと眉を垂れながら聞いてくる。
善逸から聞いてた通り、炭治郎くんは説明が下手なんだな…
『うーん、確かになにか足りないよね』
「ですよね!」
「作り手にしか分かりあえない何かがあるのか?」
他のパンも試食をした。
あるパンは美味しいが、何処にでもありそうな感じがして、あるパンは、食感が少し悪く、あるパンは……
そうやって、いろいろと炭治郎くんと言い合っていると、前世での和菓子屋で働いていた頃を思い出して熱中してしまった。
なにより、炭治郎くんとこの手の話が合った。
どれも良いのでは?と思うらしい善逸と禰豆子ちゃんは、あまりに白熱する私たちについていけなくなり、知らない間に、居なくなっていた。
「じゃあ、このパンのここの生地にもう少しシロップを付け加えてみます!」
『うん、きっともっと美味しくなるよ!』
「やっぱりAさんに来てもらえてよかった!本当にありがとうございます!」
『いえいえ、私も久しぶりにこういう事で楽しめたよ。ありがとう』
いつもは、ネットでレシピを調べて作っていただけだったから、最初から考えて作るなんて懐かしかった。
やっぱりこういう系は楽しい。
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myu♪(プロフ) - Decemberさん» ありがとうございます!とっても嬉しいです!友達にこうなったらどう思うかなど聞いたりして、感情表現が分かりやすくできるよう頑張ったのでそう言ってもらえて本当に嬉しいです! (2020年2月20日 10時) (レス) id: 875cd6e9ff (このIDを非表示/違反報告)
myu♪(プロフ) - スヴィエトゥさん» コメントありがとうございます!嬉しいです! (2020年2月20日 10時) (レス) id: 875cd6e9ff (このIDを非表示/違反報告)
December(プロフ) - このお話の設定めっちゃ素敵ですね(;_;)主人公に感情移入しやすくて、とても、面白かったです!素敵な作品ありがとうございます!! (2020年2月19日 22時) (レス) id: 8a83f8152c (このIDを非表示/違反報告)
スヴィエトゥ(プロフ) - 面白かったです (2020年2月19日 21時) (レス) id: f033e98427 (このIDを非表示/違反報告)
myu♪(プロフ) - 人形師さん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年2月16日 13時) (レス) id: 875cd6e9ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:me | 作成日時:2020年1月29日 0時