命を ページ49
「ガチやん…」
『もう、飛ぶことも出来ない。地に縛り付けられ、羽は黒く染まりきれば、もう片方も使えなくなるだろうね』
「…なくなるのですか？その羽も」
『いや、無くなりはしないが…魔力が反発するんだ。これでも一応天使だからね』
その証拠に、あなた達の羽は黒いでしょう？
黒く染まりきれば、私の力で動かすことも出来なくなる。天使としての力も無くなる
もう二度と、空を飛ぶことが出来ない
それがどれだけ致命的な事なのか、あなたがたには分かるはずだ。
失えばまともな生活が出来ない
……そういう意味なのだ
『私は地に縛り付けられた天使。ほら、無残でしょ？だから…』
「なら、ここにいたらええやん…」
『へ…？』
「オレはAを手放す気なんてない。それに言うたやん…なんかあったら俺を呼べばええって」
『なにを言ってるか…分かってるの？』
「AはAやろ。それに、一人くらい悪魔の手を取った天使がいてもええやん。」
『んな、むちゃくちゃな…』
そんな簡単に言うことじゃ…
だけど、見たことないほど真剣な瞳で。
「なぁ…堕ちてきて、A。俺のとこまで。
その羽も全部黒く染めればもう天使じゃなくなる。帰る理由も無くなるやろ
…なら、死ぬまで傍におってよ。」
いつも以上に真剣な瞳。
『っ……なん、で…？』
「Aがええ。Aじゃなきゃ嫌や。それじゃダメか？」
『そういう、問題じゃ…』
「堕ちて、堕ちて堕ちて堕ちて…天使の名を捨てて、魔に染まればもう辛いことなんてさせへん。俺に印をくれれば、それでええんよ」
『っ……！』
私がゾムに印を捧げる。
すなわち…《印》の交換。
それはつまり、天使の名を自ら捨てることを意味する
それがどれほどの大罪で、どれほど危険なことか…
なぜなら…それは身を投じることが出来るからだ
私の天使の力を完全に無くして、全て魔なる力に変換することが出来る
そうすれば黒く染まった羽も問題なく使えるだろう。今まで通りに魔術も使えるだろう
でも、でも…
私には、辛すぎる選択だった
地べたで努力日々をすべて無駄にするということ、両親や、あの祖母との縁を全て切るということ
この先の時間に、自分の人生全てをを賭ける覚悟を。
『…………ゾムは、いいの？』
「俺はもう覚悟出来とる。
だから…
………その命、俺にくれへん？」
そう言って、初めてあった時みたいに、フワリと私を抱きしめた
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pandapanda216(プロフ) - これの続き見たい (2021年2月18日 14時) (
レス) id: 9fe8803e94 (このIDを非表示/違反報告)
有(プロフ) - これの続き（？）のpi君の奴最高ですね！！！！既に！！ (2019年8月10日 22時) (レス) id: 809a57d1b1 (このIDを非表示/違反報告)
音斬湊(プロフ) - 最終回だった…取り敢えず完結おめです！続き読みたいです！番外編か続編希望です！！ (2019年8月10日 10時) (レス) id: e231a66eea (このIDを非表示/違反報告)
有(プロフ) - うわお。まさかの最終回。有難うございました。ほんとに。 (2019年8月10日 9時) (レス) id: 809a57d1b1 (このIDを非表示/違反報告)
yoru(プロフ) - 面白い！足りない！もっと続きが読みたい！！続編希望めう！！！ (2019年8月9日 15時) (レス) id: 9724c84fb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リラ | 作成日時：2019年6月4日 20時
