【ツイステ】人形使いのお話

にゅうがくしき ページ6

お面の人に連れられて入った部屋には、僕と同じ服を着た人がいっぱいいた。

こんなにたくさんの人を見たのは初めてだ…

みんな、小さい声で近くの人としゃべってるみたい。

お面の人は「名前を呼ばれるまでここにいるように」と言って、どこかへ行ってしまった。





「にゅうがくしき」というものが始まった。

名前を呼ばれたら、おっきな「やみのかがみ」の前に行くみたい。

「やみのかがみ」にはおっきな顔…かお面みたいなのが浮かんでいて、
前に来た人に何か叫んでる。

何を言ってるのかはよくわからないけど、叫ばれた人は喜んだり
驚いたりしながら、また元の場所に戻っていった。

…へんなの、なんなんだろう、この「にゅうがくしき」って。


『ピース、つまんない。』
「僕もだよ。なんだか眠たくなってきた…」


おんなじことの繰り返しだから退屈だし、眠たくなってくる。

なんだか頭がふわふわしてきたとき


『A・ストロンボリ！』
「ふぁ？」


僕の名前が呼ばれた。

すとろんぼり…ってなんだろ？僕の名前はAなんだけど…


『名前呼ばれたよ！A、あそこへ行こうよ！』
「うん…」


ピースを抱いて、前の人がやったみたいに「やみのかがみ」の前まで歩いて行った。

「やみのかがみ」につくまでに、いろんな声が聞こえた。


「なんだよあいつ、人形なんか抱いて…」
「つか、ちっさ…！本当に16歳か？」
「なんかよわっちそうなヤツだなぁ…」

たぶん、僕のことを言ってるんだろうけど…

「母さん」とか「姉さん」に毎日言われてた言葉に比べたらずいぶん優しいものだ。

「やみのかがみ」の前に立つと、遠くから見ても大きいと思ってた顔は
もっと大きく見えた。

たぶん目だと思われる穴が二つ、僕のことをじっと見てる。


『——汝の名を告げよ。』
「…な？なまえってこと？A。」
『……』
『なんだよコイツ。人に名前聞いといてだんまりか？』


僕の名前ならさっき呼ばれたばかりだから、聞こえてるはずなんだけど…


『汝の魂の形は……』
「？」
『…見えぬ。』
「はい？」


なぜか反応したのはお面の人だった。


「それはどういうことです？」
『この者の魂の形は未完成。器がまだ形成されていない。
　よって、どの寮にふさわしいかを決めるには時期尚早である！』


ざわっと、部屋にいた人たちが一斉にしゃべりだした。

ここはガッコウ→←かわいそうな子？

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