告白 ページ29
「ひとまず落ち着きなさい、ストロンボリくん。」
「ごめんなさい、ごめっ…ゲホッゴホッ、は、はぁ、ごめ…んなさい…っ!!」
「わかったから、わかりましたから…!!とにかく深呼吸して…!!」
クロウリーの言葉が聞こえていないのか、依然として額を床にこすりつけているAは
過呼吸を起こしかけていた。
かくして、林檎をつかみ取った少年が落ち着くまで、クロウリーはベッドで隣に座り
しばらく背中をさすることになった。
「……大丈夫ですか?」
「…はい、ごめんなさい…クロウリー先生……」
「……」
涙と荒い呼吸は止まったものの、Aの肩は震えていた。
寒さのせいではあるまい。
……さて、どう切り出すべきか。
この子は何よりも罰を恐れているようだ。
暴力による虐待、育児放棄による衣食住を欠いた生活を送ってきた過去があるがゆえに、
自分にとって嫌な思いをすることのイメージはありありとできてしまうのだろう。
どのみち罰は与えねばならないだろうが、本人は深く反省していることは火を見るよりも明らかだった。
「…ストロンボリくん、落ち着いて私の話を聞いてください。」
「…はい。」
「昼休み、貴方に何があったかは大方聞きました。
貴方は相手に大けがを負わせましたが、
そもそも貴方が相手に手を出した理由は何だったんです?」
「……制服を、汚してしまったから……」
「制服、ですか?」
予想だにしていなかった単語が出てきて驚くクロウリー。
気になったことをオウム返しすれば、ポツリポツリとAが話し始めた。
「僕が、殴られた時に…制服に、血が、ついて汚れてしまったん、です。
トレイン先生から、制服は、汚したり、破いたりしては、いけないって教わって…
そのことを思い出したら、怖くなって…」
「…どうして怖くなったんです?」
「「悪い子」がすることをしてしまったら、怒られるって思ったんです。
打たれたり、食べ物がもらえなくなるのはもう嫌だって、そう思ったら、もう、
頭の中、ぐちゃぐちゃになって…ごめんなさい、そのあとのこと、
あんまり…覚えていないんです……」
「……なるほど。」
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白樺葵(プロフ) - 狂歌さん» 狂歌さん!コメントありがとうございます!ね、なにやら雲行き怪しくなってきました……カタ((((〇△〇))))カタこれからどうなっていくんだろう……私も分かりません← (2021年7月8日 10時) (レス) id: 30555c691c (このIDを非表示/違反報告)
白樺葵(プロフ) - マルさん» マルさん!コメントありがとうございます!えぇ、遅くなりましたがようやっと本編主人公君の登場です(汗)更新頑張ります!ありがとうございます! (2021年7月8日 10時) (レス) id: 30555c691c (このIDを非表示/違反報告)
狂歌 - ヤバいピース何があった…?!不穏な感じしゅき(((全然ピース(平和)な感じがしない!めちゃんこ楽しみですッッッッッ!! (2021年7月7日 23時) (レス) id: ba521741cf (このIDを非表示/違反報告)
マル(プロフ) - わっやっとユウくん出てきた〜!続きがきになる〜!更新がんばってください!!応援してます!!! (2021年7月7日 22時) (レス) id: 92b1393144 (このIDを非表示/違反報告)
白樺葵(プロフ) - いよさん» いよさん!コメントありがとうございます!シンプルに嬉しいです!!書き始めた当初はこんなに反響があるとは思わず、軽い気持ちで書き始めたんです(汗)筆者含めて続きがどうなるのか分からないミステリーツアーですが、お付き合いいただければ幸いです(T_T) (2021年7月6日 20時) (レス) id: 30555c691c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白樺葵 | 作成日時:2021年5月19日 11時