【ツイステ】人形使いのお話

僕、どうなったの？ ページ27

―――ここ、どこだろ…

知らない天井、静かな部屋。

出もどこかで嗅いだことのある匂い。

あ…医務室だ。

…身体が重たい。頭がボーっとする。

最後の記憶を手繰り寄せる。

なんで僕はここにいる？なにをしてたんだっけ？

確か、トレイン先生の授業が終わって、お昼休みになって、

…そうだ、ハーツラビュル寮の先輩たちに昨日のことを謝りに行こうと思って…

廊下は走っちゃだめだから早歩きして…それで……


「……あ」


思い出した。…と言っても、途切れ途切れにだけど。

顔に受けた痛み、汚れた制服、トレイン先生の言葉、狼狽して機能しなくなった頭。

相手を殴った手の感触、引っ掻いた爪の痛み、噛みついた時の顎の感覚、

嫌に生々しく思い出せる。

…それから、隣で聞こえたやけに甲高い笑い声。あれは誰の声だったんだろう？

…いや、違う、そんなことはどうだっていい。


「…あ、…あぁあぁぁ……！！」


僕は、「悪い子」なんだ…！

人を傷つけてしまった！！

確かに、ピースが言ってたように、ごめんなさいって言ったのに殴って来たあの人も悪いと思う。

でも、僕も結局、あの人たちと…「父さん」や「母さん」と同じことをしたんだ。

相手を殴ったんだ。

どこを殴られたら痛いかを知ってたから、

どこを殴られたら動けなくなるか知ってたから、

だから、そこを狙って……



「悪い子」は「お仕置き」される…！

「悪い子」は「シッパイサク」。動けなくなるまで打たれるか、食べ物を取り上げられるんだ…！


「はー、はー…はぁ、はぁ…っ！！」


どうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう…！！！

どうしたらいいかわからなくて、怖くて、ピースを抱きしめる。


「ピース…！はぁ、ゲホッ…ね、ねぇ、ピースってば…！！」


おかしい、ピースが動かない。喋らない。

人形みたいにピクリとも動かない。


「ねぇ、返事してよ、なんか喋ってよ！！
　ピース！ピースってばぁ！！」


僕を助けてよ…





動かないピースを抱きしめたまま、僕は泣き続けた。

泣きながら謝る様は、まるで幼児→←林檎か、コインか

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