「良い子」になるんだ! ページ19
カランカランと、外から音が聞こえた。
その音を聞いたクルーウェル様はふぅ、と息を吐いて持っていた本を閉じた。
「…今日はここまでのようだ。次の時間はトレイン先生が担当してくださる。」
「トレイン先生!お会いしたことがあります!」
「ほう、ならばお前の変貌っぷりを見て驚くだろうな。」
「えへへ…」
クルーウェル様からは言葉遣いを教えていただいた。
目上の人に話すときに気を付けるところ、接続詞や助動詞なんかも。
知らないことをたくさん教えてもらって、なんだかとっても気分がいい。
「では、俺は他の教室があるので失礼する。…励めよ、仔犬ども。」
「はい!クルーウェル様!ありがとうございました!」
『ありがとうございました!クルーウェル様!』
「グッボーイ。」
クルーウェル様は満足そうに教室を出ていった。
「ピース、クルーウェル様、嬉しそうだったね!」
『きっとAが良い子だったからだよ!
Aは1回言われたことはすぐ覚えるんだもん!すごいよ!』
「えへへ…1回で覚えないと大変なことになるの、知ってるからね。
…もう、前みたいな生活には戻りたくないもん。」
『そうだね。ここではフワフワのベッドで眠れるし、お腹いっぱい食べられるし、
Aを打ったりする人もいないもんね!』
「ここを追い出されないように、「良い子」でいないとね!」
『頑張ろう、A!』
「うん!」
僕はピースをぎゅっと抱きしめて、心に誓った。
僕は、「良い子」になるんだ。
教室の外にて。
「…トレイン先生」
「クルーウェル先生。どうだったかな?彼は。」
「…躾のなっていない野良犬だと聞いていたが…素直な仔犬でしたよ。
オレの言ったことは1度聞けば正確に記憶し、2度と間違いは犯 さない。
恐ろしいまでの知識の吸収力でした。たった1限分の時間で
果たしてどこまでいけるものかと思っていましたが…
オレが教えた「言葉遣い」に関しては、完璧かと。」
「ほう…あの鬼教官と名高きクルーウェル先生の口からそんな言葉が飛び出すとは…
明日は槍でも降るのかな?」
「実際に話してみては?…オレの言葉が過大評価でないことは
数分話せばわかるかと。」
「それは楽しみだ。」
「オ゛ァアアア……」
「よしよし、ルチウス待たせたね。…では、行ってくる。」
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白樺葵(プロフ) - 狂歌さん» 狂歌さん!コメントありがとうございます!ね、なにやら雲行き怪しくなってきました……カタ((((〇△〇))))カタこれからどうなっていくんだろう……私も分かりません← (2021年7月8日 10時) (レス) id: 30555c691c (このIDを非表示/違反報告)
白樺葵(プロフ) - マルさん» マルさん!コメントありがとうございます!えぇ、遅くなりましたがようやっと本編主人公君の登場です(汗)更新頑張ります!ありがとうございます! (2021年7月8日 10時) (レス) id: 30555c691c (このIDを非表示/違反報告)
狂歌 - ヤバいピース何があった…?!不穏な感じしゅき(((全然ピース(平和)な感じがしない!めちゃんこ楽しみですッッッッッ!! (2021年7月7日 23時) (レス) id: ba521741cf (このIDを非表示/違反報告)
マル(プロフ) - わっやっとユウくん出てきた〜!続きがきになる〜!更新がんばってください!!応援してます!!! (2021年7月7日 22時) (レス) id: 92b1393144 (このIDを非表示/違反報告)
白樺葵(プロフ) - いよさん» いよさん!コメントありがとうございます!シンプルに嬉しいです!!書き始めた当初はこんなに反響があるとは思わず、軽い気持ちで書き始めたんです(汗)筆者含めて続きがどうなるのか分からないミステリーツアーですが、お付き合いいただければ幸いです(T_T) (2021年7月6日 20時) (レス) id: 30555c691c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白樺葵 | 作成日時:2021年5月19日 11時