序章47 ページ48
2メートルを超える大きさ、小豆色の服?にも似た布切れを纏って
どす黒いツルハシを持つそれは異様なオーラを放ちながら近づいてきた。
顔にあたる部分が黒い液体で満たされたフラスコのような形をしている。
なんなんだコイツ…!
全身が本能レベルで警告を鳴らす。
こいつはヤバい。マジでヤバい。
俺たちは一目散に逃げだした。
「なんだあのヤバいの!?」
「ぶなああああ!!あんなのいるなんて聞いてねーんだゾ!!はよ逃げろ!」
「何あれ!この世界にはあんなのいるの!?」
「オレも初めて見たっつーの!!!」
「オレ様もあんなの知らねーんだゾ!!!」
逃げながらもこれだけ話せるなんて案外みんな元気だな…と思っていると、
一人足りないことに気づく。
「!!ベリアル先輩!!?」
ザザッと立ち止まって振り向けば、俺たちが元居た場所にベリアル先輩が力なく突っ立ったまま、逃げ出せずにいた。
「何してんだマスク野郎!!腰抜かしたのか!?」
「先輩!!」
「イ、イシ…イジ……ワダザヌ……!!」
あのバケモノは止まることなく近づいてきているっていうのに
先輩は逃げ出す気配がない。
「くそぉっ!!」
「デュース!!」
考えるより先に足が先輩のほうに向かって走り出していた。
後ろからユウが叫んでいるのが聞こえる。
先輩にはさっきゴーストを退けてもらった借りがあるんだ、見捨てて行けるかよ…!
「先輩、動けますか!?」
ベリアル先輩の腕をひっつかんで引っ張ると、案外先輩は一緒に走ってくれた。
良かった…腰が抜けたとかで走れなかったら、さすがの僕でも担いでは走れなかった…。
「あ…すみ、ません…ケホッ…」
先輩が何か言ってる気がしたけど、マスク越しだし走りながらでうまく聞こえない。
少し走るスピードを緩めていたエースたちに追いつき、なおも走る。
「めっちゃエグい!でもあいつ石がどうとか言ってなかった!?」
「えぇっ!?」
確かに、イジ、イジって…あれ石って言っていたのか?
「イジ…イシ、ハ……ワダサヌ……!!!」
「!!!」
「やっぱりここに魔法石はまだあるんだ!」
絶望の中の希望、地獄に仏だ!
絶体絶命のピンチだけど、魔法石がここにあることが分かったのは1歩前進じゃないか!
「むむむむむむりむり!いくらオレ様が天才でもあんなのに勝てっこねぇんだゾ!」
あんな大口叩いていたグリムもビビりあがっているようだった。でも…!!
「だが魔法石を持ち帰れなければ退学……僕は行く!」
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リゼ - 白樺葵さん» 学園内の身長のトップはツノ太郎では、、、 (2022年6月23日 14時) (レス) @page32 id: bd60c7e03e (このIDを非表示/違反報告)
白樺葵(プロフ) - 星猫さん» >星猫さん こんにちわ!知っているレベルで言えば「僕のヒーローアカデミア」「BEASTARS」「怪物事変」「文豪ストレイドッグス」…と、このあたりでしょうか?総じて異能力バトルや、妖怪が出てくるお話が好きです(^^) (2021年3月4日 17時) (レス) id: 62e8178f4a (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか? (2021年3月4日 17時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白樺葵 | 作成日時:2020年11月9日 22時