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序章17 ページ18

「ふな゛〜〜〜!離せ!触るな!オレ様は大魔法士になる男だゾ〜〜〜!!」

校門へ向かう道中、相変わらずグリムさんは短い手足をばたつかせて暴れてらっしゃいましたが、
首輪のせいで魔法が使えなければさほど脅威でもありません。
道中暴れ続けたせいか、もう間もなく校門が見えてくるあたりになると
グリムさんが急におとなしくなりました。…疲れたのでしょうね。

「ふな〜……」
「……しかし、何故そうまでしてこの学園に入りたいんです?」

疲れたこともあって少し冷静に話ができると思い、疑問に思っていたことを聞いてみました。
…こうもかたくなに入学にこだわっている様子を見ると、気になってきます。

「単純な話なんだゾ!」

小さな手…前足?を胸の前で組んで、グリムさんは何故か得意げな顔で語り始めました。

「オレ様が大魔法士になるべくして生を受けた天才だからなんだゾ!
いつか黒い馬車が迎えに来るのをオレ様はずっとずっと待ってた。
なのに……なのに……」
「…来なかったんですね。」

少々涙目になってきたグリムさん。こんな弱弱しい表情もするんですね…。
なんとなく見つめていたら、「ハッ」とまたふくれっ面に戻るグリムさん。

「ふ、ふん!闇の鏡も見る目がねーんだゾ。
だからオレ様の方からきてやったってわけだ。
オレ様を入学させないなんてこの世界の損失だってのに、ニンゲンどもはわかってねーんだゾ。」
「…は、はぁ……」

ずいぶんと自分に自信がおありのようで…ここまでくるとなんだかちょっと羨ましい気すらします。

「…オマエはオレ様の話、聞いてくれるのか?」
「まぁ、お話を聞くくらいならできますので…」

くいっと頭を持ち上げてグリムさんが私を見上げてきました。
おそらく初めて、グリムさんとしっかり目が合いました。
空のように青い目と、耳から出ている…?青い炎が印象的です。
大きさも形も猫に近いのですが、尻尾は三又になっているし、人語を話すし、
何よりも火を噴けるあたり、魔物なのでしょうね…。

「ふな!?お前なんでそんなマスクつけてるんだゾ!?」
「…今それ聞きます…?」

ここに至るまでの間、目に入らなかったのか、気にしていなかったのか…

「…ちょっとしたお守りです。」
「そうなのか。変なヤツなんだゾ。」
「貴方に言われたくありません。」
「フンッ!」

いきなり学園に侵入して火を噴きまくった得体のしれない魔物よりはマシだと思います…。

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設定タグ:ツイステ , 夢小説 , 男主   
作品ジャンル:ファンタジー
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リゼ - 白樺葵さん» 学園内の身長のトップはツノ太郎では、、、 (2022年6月23日 14時) (レス) @page32 id: bd60c7e03e (このIDを非表示/違反報告)
白樺葵(プロフ) - 星猫さん» >星猫さん こんにちわ!知っているレベルで言えば「僕のヒーローアカデミア」「BEASTARS」「怪物事変」「文豪ストレイドッグス」…と、このあたりでしょうか?総じて異能力バトルや、妖怪が出てくるお話が好きです(^^) (2021年3月4日 17時) (レス) id: 62e8178f4a (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか? (2021年3月4日 17時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白樺葵 | 作成日時:2020年11月9日 22時

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