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五話 ページ6

「ただいま」

「ん。お帰り」

妹は僕の帰りを待っていたのか、作り置き(とは言ってみたものの、実際には朝食の残り物)を冷蔵庫から出さないまま、一人で寂しく(そんなことはなく、むしろ一人の方が落ち着いて良いというのが妹)ミステリー小説を沢山読んでいた。

本を山積みにしていた。

「おいおい、妹。食卓を並べる大事な大事なテーブルに本をそんな山のように乗せちゃって、片付けはちゃんと自分でするんだろうね?」

「やだなあ、兄。そこら辺はちゃんと弁えているつもりさ」

「まずは共通のスペースである筈のテーブルをそんな私物置きにするという行為はどうなのかと。そこら辺を弁えていて欲しかった」

「まあまあ、で?ご飯にする?」
大丈夫なのだろうかこの妹は。

いや、冗談抜きで高校入試が危ぶまれているんだ。

私が心配されてるのはいつもの事だからどうってことないけど_と妹。

高校は行って欲しいと兄ながらにそう思う今日この頃。

僕だって、しっかりと高校へ通っている。

優秀とは言い難いが。

「うん。そうしよう。お腹が空いた」

その後、ご飯が炊けていないことに気付き、悲鳴をあげてしまったのは…ここだけの話。

「兄、どうだったの?」

「どうって?」

「秋葉さんのあれ」

「それ、言わないと駄目?」

僕にそれを言わないといけないという決まりは無いし、そんな法律も刑法も憲法も定まっていない。

ここは黙秘権の行使。

黙るに限る。

「駄目。教えて」

そこまではっきり言われてしまうと、本当にそうなんじゃないか、と錯覚してしまう。

「ほーら、早く教えてくれないと……?」

脅すようでいて不気味だなぁ。

軽くキャラを崩壊させてないでよ。

「大丈夫。何もしないから」

「何も、とは?」

「兄の仕事の邪魔とか?」

何故に疑問系。

とか?じゃねえよ。

「大丈夫。安心しな」

「うーん…」

不安しかない。

「どうせ殺人じゃないんだろ?」

「まあ…そうだけど…」

そういうのって他言無用でしょ。

「まあまあ、話してみなよって。人間、話すだけで楽になるもんだ」

楽になるどころか上に岩がのしかかって来たような気分になる。

「じゃあ、話してもいいけど、それに絶対関わるな。いいね?」

「がってんしょうちのすけだってんだい」

なにそれ。

「まあ、(以下略)なんだよ」

「へぇ。ありがとね。兄」

「もう嫌だ」

「あはは」

遂に妹に知られてしまった。

遂にという程黙っていられなかったけど。

とりあえず【 自 殺 】だった、とだけ教えておいた。

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こきあ@アホ毛同盟@カオス家族同盟*母(プロフ) - いっつんさん» ありがとうございます!会話はかなり力を入れているので、そう言ってもらえると嬉しいです!これからも頑張らせていただきます! (2020年8月23日 16時) (レス) id: 2afde1be33 (このIDを非表示/違反報告)
いっつん(プロフ) - 小説拝見しました! ミステリー小説は犯人の動機やトリックを考えなければならないので大変ですよね……。ちょっと生意気な妹ちゃんと兄くんのやり取りが可愛くて好きです! これからも執筆頑張ってください! (2020年8月23日 15時) (レス) id: 9672a7ee0b (このIDを非表示/違反報告)
こきあ@アホ毛同盟@カオス家族同盟*母(プロフ) - あきさん» あーね…読者観点と作者観点ってやっぱかなり違いがあるんだねぇ………(( (2020年7月23日 18時) (レス) id: 2afde1be33 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - えっとね、せいにぃは好青年感するなぁ。神崎さんは好きよ。京は少しナルシストっぽいところが感じられるんだけどそこ好き。妹ちゃんツンデレだよね、遅くなってごめんよー。 (2020年7月23日 18時) (レス) id: f9bd0e9f58 (このIDを非表示/違反報告)
こきあ@アホ毛同盟@カオス家族同盟*母(プロフ) - みるくプリンさん» ありがとうございます!!まあ、これからまだ先があるので何とも言えなかったのでしょうが…(笑) (2020年6月28日 20時) (レス) id: 2afde1be33 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こきあ x他1人 | 作者ホームページ:無い。  
作成日時:2019年12月15日 13時

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