▲.78 ページ18
・
・
−Aside−
・
・
―温かい。
ここは...どこ？
温かい...
この、光は...？？
『＿＿＿うぅ、ぐすん...ぐすっ...』
女の子の、泣き声が聞こえる...
私はそちらに目を向ける。
『＿＿＿大丈夫ですよ、もう大丈夫。』
そこには小さな女の子と、駅員の制服を着た男性がいた。
泣きじゃくる女の子を駅員さんが優しく撫で、なだめていた。
あ、これは...あの時の私だ。
これは...私の記憶だ。
＿＿＿その光景は、ライモンシティであった火災の記憶。
私はあの日助けられたあと、ずっと怖くて怖くて泣いていた。
すると、助けてくれたお兄さんが優しくなだめてくれた。
『＿＿＿そうだ、いいものをあげましょう。』
お兄さんはそう言って、自分の肩に下げていたバッグからあるものを取り出す。
『＿＿＿どうぞ、チョコレートですよ。』
『ぐすっ...チョコ...？』
『ええ、チョコレートには気持ちを癒す効果があります。
これを食べれば元気になりますよ。』
お兄さんはそう言って、幼い私にチョコレートを手渡す。
『あ、ありがとう...』
私はチョコレートを受け取ると、静かに包み紙を剥がす。
＿＿＿パキッ
『＿＿＿はい、お兄さん。』
『え...』
幼い私はチョコレートを半分にすると、その半分をお兄さんに差し出す。
半分を差し出されたお兄さんは、少し驚いたような反応をしていた。
『美味しいものを一緒に食べると、二人とも...幸せな気持ちになれるんだよ！
一人で食べるよりも、誰かと食べた方がいいって...お母さんが言ってた。』
『＿＿＿そうでしたか、ありがたく頂戴いたします。』
お兄さんはそう言うと、私から半分のチョコレートを受け取り、
幼い私と一緒にチョコレートを食べた。
『＿＿＿美味しい...！』
『＿＿＿ええ、おいしゅうございます。』
二人はお互いに顔を見合わせると、笑い合った。
＿＿＿こんなことあったなぁ。
あの時のお兄さん、元気かな...
お兄さんの顔、ここからじゃよく見えない...
あ「ダメ...見えない...」
でも、どうしてだろう...この声...
どこかで聞いたことが...
・
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 31人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ポケットモンスター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紗也(#°v°#)(プロフ) - mofuさん» コメントありがとうございます！ここまで読んでいただけて凄く嬉しいです！ありがとうございます(*´∀`)♪あたしも87話はお気に入りのシーンです！！ (2022年8月21日 7時) (
レス) @page28 id: 00f1a90a19 (このIDを非表示/違反報告)
mofu - 追記、87話めっっちゃ良かったです!!(〃∇〃) (2022年8月20日 21時) (レス) @page31 id: ee0db38384 (このIDを非表示/違反報告)
mofu - 紗也様こんばんわ(^^)夢中になり二章の途中から、三章まで一気に読んでしまいました…!!あと少しで最終だと思うとかなり辛たんです(ﾉД`)ｼｸｼｸ でも楽しみにしてます!笑 (2022年8月20日 21時) (レス) @page31 id: ee0db38384 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紗也(#°v°#)
| 作成日時：2022年8月1日 10時
