【Kiramune】たった1人のシンデレラ�供敍�野自由】

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「おはよう、茜」

「あ、A・・・！大丈夫なの！？」


教室に着いていつもと同じ席に座っていた茜に声をかけると、血相を変えて私の肩を掴む。


「何が？」

「ニュース、観てないの？」


そういえば、今朝は慌ただしくしていたからテレビを付けていなかったな・・・。
「観てない」と返しつつ、携帯でニュースのページを開く。


きっと茜が心配していたのはこのことだろう。
一番上に表示された。




『声優・入野自由、熱愛発覚か！？』




・・・え？

迷わずそのページをタップする。


「なに、これ・・・」

「あ、A見ない方が・・・！」

「いいよ、別に」


もしかして、私とのこと？
なんて考えていたのは軽率だった。


報道されていた相手は舞台女優。
少し前に同じ舞台に出ていた人だ。

頭を真っ白にしつつ記事を読む。


要約すると、
『二人で飲食店に入るところを目撃。
更には、二人でジュエリー店に入って行くところも目撃されている』
とのこと。


頭が追いつかなかった。

ジュエリー店？プレゼントするってこと？
それって結構結婚間近なんじゃないの？


・・・じゃあ、遊びなのは私の方じゃない。


怒りと、悲しさと、幻滅と。
色んな感情が折り重なって震える手で握る携帯が、通知を受けて震える。

入野さんからメッセージが届いた。


読む気にもならなかったけれど、震える手で開く。




入野さんAニュース観た?

入野さんあれ全部間違ってるから。信じないで




私が信じる気にならなかったのは、入野さんだ。


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