26話 ページ26
一方、彼女は自分が所属していたアジトを出て森を歩いていた。この森を抜ければ街に着く。そして、交通機関を利用して遠い街へ行く予定だ。だが、彼女の足取りはなんだか重たげだ。
基地から離れるたびに脳裏に浮かぶ思い出の数々。その記憶のほとんどはゾムだった。Aは彼の笑顔を思い出し、心が締め付けられる感覚に陥った。ふと、彼の優しい声が聴きたくてたまらなくなった。彼のあの独特な笑い声をもう一度聞きたいと思った。ちゃんと彼の姿を目に焼き付けとけばよかったと思った。そうか、これが好きということか。恋というものなのか。ようやく彼女は気づいた。
もう遅かった。今までわからなかった感情が、内から湧き出る感情が、淡い恋という事に。知らず知らずの間に蓋をしてしまっていたこの感情が今となっては後悔の波になって彼女を責め立てる。
途端、前方の道にナイフが刺さった。しまったとAは思った。考え事をしていたらユキの周りは敵に囲まれていた。Aはこの敵の正体を知っていた。この森には暗殺アジトが２つ存在する。１つはAが所属していたアジト、もう１つはAの所属していたアジトのライバル的立場にあるアジトだ。その２つ目のアジトの殺し屋が彼女の逃げ場を完全に封じている。
「おいおい、お前 我々国のどっかの副隊長さんじゃねぇか？」
「こんなとこで何してんの？任務？」
じりじりと距離を詰められる。人数はざっと10人くらいだ。1人がAの肩に触れようとした瞬間、彼女は華麗な背負い投げをした。
「っやろぉ」
「ちょうど良い。捕まえて情報でも吐いてもらおうか」
運が悪い事に彼女は弾切れの銃しか持っていない。ナイフを持って数人斬りつけたが、人数不利で手を掴まれ地面に押し付けられた。身をよじって抵抗するが抜け出せそうにない。
『ぐっ！？』
「このまま、連れてくのは面倒だ。寝かせろ」
リーダー格みたいな奴が指示を出した。すると、Aは口に睡眠薬のついた白いガーゼを当てられ気を失った。
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雪だるま(プロフ) - 傘お化けさん» コメントありがとうございます！ゾムさんは推しますよもうしんどい。続編、新作を待っていただける読者さんの声を聞けて大変嬉しい限りです。長い間待たせるかもしれませんが新しい作品が作れるよう努めてまいります。最後までお付き合いありがとうございました！！ (2018年7月19日 23時) (
レス) id: a79d36039b (このIDを非表示/違反報告)
傘お化け(プロフ) - コメント失礼します！私もゾムニキ最推しでゾムのお話ばっかり書いています。完結、おめでとうございます！続編が出たら読ませていただきます！もちろん、新作の場合も読みます！これからも頑張ってください (2018年7月19日 23時) (レス) id: 4b6ec1c8eb (このIDを非表示/違反報告)
雪だるま(プロフ) - ぺんぺけさん» コメントありがとうございます(^^)そう言って頂けて大変励みになります！毎日投稿頑張るんで楽しみにしててください。 (2018年7月3日 11時) (レス) id: a79d36039b (このIDを非表示/違反報告)
ぺんぺけ - コメント失礼します。夢主さんとzｍさんの関係いいですね！好きです、これからも頑張ってください！ (2018年6月30日 12時) (レス) id: 84b17b0d54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪だるま | 作成日時：2018年6月24日 1時
