【wrwrd】私はあなたに恋をしていた【zm】

22話 ページ22

必死でゾムから逃げた彼女は今、自分が所属する暗殺アジトに逃げ込む様に入った。Aはゾムを撃った後すぐにアジトに帰ってきた。帰ってきた当日は疲れきって自室で眠ってしまった。翌日になると同志達が群がってきて、どうだっただのどう殺したなどの質問責めにあった。適当に流しているとアジトのボスが顔を出してきた。

「殺ってきたようだな。首とか持ってきたか？」
『すいません。あまりに強かったため首は持ち帰れませんでした』
「そうか、お前の事だ。ちゃんとやってきたのだろう。さて、機密情報も教えてもらおう」
『わかりました。こちらです』

と言ってAはダミーのUSBを渡した。中には勿論デマの情報とウイルスが入っている。もともと、彼女は我々国の機密情報を持ち出していなかった。確かに受け取ったと言ってボスは去っていった。

自室に戻ったAはこのアジトを出て行く事にした。理由は良い成果を上げることができなかったからだ。まとまった資金もある事だしここから遠い街に移り住もうと考えていた。きっと大丈夫。今までこうやって1人で生き抜いてきたのだ。大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせる。

Aは黙々と出て行く準備を始めた。出発は今日の夜。トロリーバックを開いて中に服を詰める。荷物は必要最低限にした。ベットの上に置いてあるテディベアのぬいぐるみを見る。持っていこうと思ったが、かさばるため持って行くのをやめた。ゾムに貰ったブレスレットは捨てようにも捨てれなかった。

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