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35、背後にはお気をつけを ページ35

××



 要するにナオミ少女は私と中島先輩が相思相愛の仲であると完全に誤解しているらしかった。

違います!と誤解を解きたいところだがナオミ少女の頬に咲く向日葵の様な満面の笑顔を見て、思わず口を閉ざした。


「ナオミにも分かるんです」

「……ナオミ少女には、愛する相手がいるのですか?」

「はい!そういえばAちゃんはまだ会っていませんでしたね。ナオミの兄様に!」

「え?」


私は再び硬直した。
話の流れからしてナオミ少女の愛する人=兄、ということになってしまうのだが。否、愛するといってもそれは兄妹愛の方だろう、きっと、多分。何だかこれ以上考えていると如何わしい想像をしてしまうので私は他の話題を探すことにした。


「そういえば……ナオミ少女。
探偵社員の方々は全員異能を持っているのですか?」

「はい、基本的には。太宰さんはご存知無効化の異能。国木田さんは手帳に書いたものを具現化する異能。賢治さんは怪力の異能。与謝野女医は治癒能力。そして私の兄様の異能は細雪といって幻像の異能力者なんです」


素敵でしょう、と微笑むナオミ少女につられ、私も笑みを返す。彼処で一旦休憩しましょう、とナオミ少女は空いているベンチを指差した。


「ナオミがクレープ買ってきますから座っていてください!」

「え、ですが……」

「ふふ!此処は事務員先輩としてナオミが奢りますから」


ナオミ少女は席キープしておいてください、と云うとクレープ屋に向かって駆け出していく。よく出来た子だなぁ、とまるで近所のおばさんみたいなことを思った。

クレープ屋の列に並んでいるナオミ少女を観察していると背後から複数の足音が聞こえた。後ろを振り向く。



───瞬間、後頭部に鈍痛が走った。



**

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黒灰白有無%(プロフ) - 試しにと思い読んでみたら迚も面白かったです!!賭ケ/グ/ル/イは少々爆笑 Aが割と多く出て来るのは珍しいですね。凄く良い話だったので其の儘続編も楽しませて頂きます!! (9月8日 3時) (レス) id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
そよそよ - A''''わずか一話で死んだのにいいキャラだった (2023年4月14日 18時) (レス) id: 28bb2962c4 (このIDを非表示/違反報告)
モモンガ←? - すっごくこの作品大好きで何回も読んでます!!七竈ちゃん可愛くて大好きです!!!!!! (2022年8月25日 13時) (レス) id: e4f6a8b567 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン - Aはいいキャラしてるんだよなぁ (2022年1月4日 8時) (レス) @page50 id: 168fc3a64e (このIDを非表示/違反報告)
neko - 太宰さん…。 (2020年5月11日 15時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんず | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年6月14日 21時

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