41 ページ43
.
合宿所でのご飯や洗濯などの雑務は
武田先生と私たちマネージャーが担当する。
お風呂は男子用女子用と分かれているので、男子の方は１年生の担当だ。
食事の前に武田先生から今回の合宿に私が泊まりがけでの参加を伝えると、田中と西谷は泣いて喜んでいた。
さて、今日は定番のカレーだ。
想像はしていたが大鍋の中にあったカレーはものの一瞬にしてなくなった。
やはり男子の食欲は恐るべし。
みんな揃って食事をとった後、私達は後片付けをして潔子を外まで送る。
「A、本当に大丈夫？」
「大丈夫だよ！潔子こそ気をつけて帰ってね！」
「うん、近くだから大丈夫、また明日」
潔子と別れ、今のうちに明日の朝ご飯の準備をしてこようと食堂へと向かう。
すると、ここから離れているはずのお風呂から賑やかな声が聞こえてきた。
今は２、３年がお風呂行った頃かな？
きっと田中と西谷あたりが騒いでるんだろうなあ。
合宿来てなかったらこんなことも思わなかったなと１人笑った。
*
「A？」
「ん？あ、スガ！お風呂上がり？」
「おう！今１年が入ってるよ」
「湯冷めしないようにね」
明日の準備をしているとスガが入ってきた。
2、3年生はお風呂からもう上がったらしい。
「ああ。なにやってんの？」
「明日のお米だけセットしとこうと思って」
「遅くまでありがとうな」
「いえいえ！いっぱい食べて頑張ってもらわなきゃだからね！」
「あのさ、A。そのままでいいから聞いてくれる？」
前で腕を組んでいるスガの右腕が私の左肩に当たり、コテンと少し寄りかかってくる。
「うん。どうしたの？」
「俺さ…」
緊張した息遣いでゆっくりと喋る。
「勝つために必要なのは、影山の方だと思う」
「ずっと考えてたんだ。俺だって勝つために頑張ってきた。だけど、俺のせいで負けるなんて耐えられない」
「バレーを諦めたわけじゃないよ。コレは俺のためでもあって。勝てば俺にだってチャンスが出来るだろ？だから、決めたんだ。明日烏養さんに言おうと思う」
ここまでの決断を誰にも相談せず、1人でしたのだろうか。
私だったら同じ決断が出来るだろうか。
スガは同い年なのに偶に大人びている瞬間があって、置いていかれているような感覚に陥る。
スガが話し終わってから私が言葉を発するまで
水道の水の音だけがその場で流れていた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1604人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆう(プロフ) - つーぼさん» コメントありがとうございます！！予想大正解です！これからも色々予想しながら楽しんでもらえるように頑張って書いていきます！ (2020年8月12日 17時) (
レス) id: 9433685385 (このIDを非表示/違反報告)
つーぼ - この展開好きすぎる私予想が着いた1年間東京にいた私は音駒の誰かと知り合いです。的なやつぅ？！ (2020年8月12日 8時) (レス) id: f4d4b73c32 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです！！楽しんでいただけるようなお話書けるように頑張ります！ (2020年8月11日 17時) (レス) id: 9433685385 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 更新楽しみにしてます、！！ (2020年8月11日 15時) (レス) id: 807814b20a (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 一樺さん» わあ！嬉しい！！ありがとうございます！ (2020年8月11日 13時) (レス) id: 9433685385 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆう | 作成日時：2020年8月2日 23時
