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「今日からコーチをお願いする、烏養くんです」
「コっコーチ!?」
武田先生が連れてきたのは坂ノ下のお兄さん。
なんでも音駒との試合までという期限つきで。
「彼は君達の先輩であの烏養監督のお孫さんです」
『え!?!?』
「6時半から試合な!相手は呼んである!」
「相手!?」
「烏野町内会チームだ」
集まってくれた烏野町内会チームの人たちは思ったより若くて驚いた。
西谷はやはり試合には出ないつもりでいたが町内会チームに入れと言われてしまう。
「あ、旭さんだ!」
窓から見ると本当に旭が来ていた。きちんとジャージを着て。旭も人が足りないからと町内会チームへ。
そして、セッターを1人貸してくれという頼みにはスガが。
スガ、旭、西谷。
2人が戻ってきてくれただけでも嬉しいのに、3人が一緒にこれからプレーをするのだと考えるとそれだけで少し嬉しくなる。
「…俺は圧倒的な実力の影山の陰に隠れて安心してたんだ…」
「だけど、もう一回俺にトス上げさせてくれ、旭」
試合が始まり、スガの速攻が決まる。
それに驚いている日向に大地は嬉しそうだ。
もちろん私もスガの速攻が見れて嬉しい。
その後、日向影山の変人速攻も決まりお披露目も終了した。
伊達工に徹底的にブロックされてトスを呼べなくなった旭。そして最後の1点もブロックされ敗北が決まった。
体育館倉庫での言い争い。スガも責任を感じていて。
その3人の中にイザコザが生まれた。
「何回ぶつかっても、もう1回打ちたいと思うよ」
「それが聞ければ十分です」
急に旭が発した声に西谷が答え、旭が打ったスパイクはブロックに止められるも西谷が上げていた。
そういえばこっちに来ない間はブロックフォローの練習をしていたと言っていた。
旭のために。チームのために。
「だからもう1回トスを呼んでくれ!エース!」
叫んだ西谷の声を聞くと目の前が涙で歪んできた。
そのボール、スガはどこにあげる?
「スガーーーーーーッ!!!」
「もう一本」
ネットから少し離した高めの丁寧なトス。
その瞬間から私の目は大洪水で、涙が止まらない。
託されたラストのボール。
何度壁にぶち当たろうとも、打ち切る。
打ち切ってこそ、エース!!!
旭のスパイクが決まり、3人がやっと笑顔になった。それが私には嬉しくて嬉しくて。
「A泣き過ぎ」
やっと烏野も元通りになった。
この時を待ってたんだ。皆揃ってバレーができる、この時を。
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ゆう(プロフ) - つーぼさん» コメントありがとうございます!!予想大正解です!これからも色々予想しながら楽しんでもらえるように頑張って書いていきます! (2020年8月12日 17時) (レス) id: 9433685385 (このIDを非表示/違反報告)
つーぼ - この展開好きすぎる私予想が着いた1年間東京にいた私は音駒の誰かと知り合いです。的なやつぅ?! (2020年8月12日 8時) (レス) id: f4d4b73c32 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです!!楽しんでいただけるようなお話書けるように頑張ります! (2020年8月11日 17時) (レス) id: 9433685385 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 更新楽しみにしてます、!! (2020年8月11日 15時) (レス) id: 807814b20a (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 一樺さん» わあ!嬉しい!!ありがとうございます! (2020年8月11日 13時) (レス) id: 9433685385 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆう | 作成日時:2020年8月2日 23時