104.日浦海司 ページ4
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祖母「もう、もっとゆっくり食べたらどう?
手間隙かけて作ったもんは、しっかり味わってほしいもんだね……」
『でも、こうやってガツガツ食べてもらえるのも嬉しいですよ。』
くすくすと笑いながらおばあさんと話していると、ふと海司の動きが止まった。
『どうしたの?詰まらせた?』
海司「いや……
Aさんて、時々すげえ俺らのこと子供扱いしますよね。」
『えっ、してる!?
そんなつもりなかったけど……』
海司「んー、なんつーか、母親みたいな顔になるって言うか。」
『き、気のせいだよ。』
((それはあなたたちが高校生だから……とは言えない、私も高校生だ。))
祖母「良いじゃないの。
あんたを相手にするなら、Aちゃんぐらい余裕を持ってる人のが安心だよ。」
『え?
私、そんな風に見えます?』
海司「うん、まあ……」
煮え切らない返事をしながら、残りのご飯を掻き込むと、さっさとお風呂へと行ってしまった。
祖母「気にしなくて良いからね。
あの子なりに何か考えてるのよ。」
『………はい。』
子供扱いしているつもりはなかったが、何か気に食わないことをしていたのかもしれないと反省する。
((むしろ、いつもこっちがあたふたしてばかりで、助けてもらってるような気がするけど……))
後片付けをしようとするが、ゆっくりしていて良いと断られたので、海司と入れ替わりにお風呂をいただく。
色々モヤモヤしてしまったが、お風呂で気を取り直して居間に戻ると、おばあさんに客間に案内された。
そこには、綺麗に布団も敷かれていて、本当に良くしてもらっているなと感動する。
『何から何までありがとうございます。』
「良いのよ。
海司のいる部屋がこの隣だから、何かあったら叩き起こして良いからね。」
『あははっ、ありがとうございます。』
わざわざ叩き起こすほどのことはないだろうと思ったが、おばあさんの気遣いにだいぶ心も晴れてきた。
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うみか(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます!これからもネクストには活躍していただくので、よろしくお願いします。 (2021年7月29日 21時) (レス) id: 81b182e416 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 更新ありがとうございます!いっちゃん好きなのでなんなほっこりします (2021年7月29日 1時) (レス) id: 333f181d63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うみか | 作成日時:2021年7月27日 0時