119.京極兄弟 ページ19
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尊人の一言で、また光輝が騒ぎ出したので、さっさと演技の練習に入る。
それぞれが、決めた配役通りに台詞を言っていくが、気恥ずかしさもあり、なかなか本領が発揮できずにいた。
すると、王子役を勝ち取った光輝が、白雪姫にプロポーズをするシーンになる。
光輝「白雪姫、あなたはずっと私のそばにいるのです。
あなたの事は、この私が一生お守りします。どうか私の城へ来て、私のお嫁さんになってくださいませんか?」
先ほどまでの恥じらいが消えたのか、とても自然に出てきた台詞、そして真っ直ぐな瞳に、Aは言葉が詰まってしまう。
尊人「………おい、Aの番だぞ?」
『あっ、ごめん!』
気を取り直して、なんとか最後までやりきった。
だがまだ、胸の奥が熱を持っていた。
竜「はあ、アニキ以外がいると緊張するな。」
尊人「そんなんで本番大丈夫か?」
竜「アニキこそ、人のこと言えねえだろ。」
尊人「だから練習してんだろ?」
光輝「本番、どんなことやるんでしょうね。」
『うん………これだけは資料がほとんどなくて。私も全然分からないんだ。』
竜「あの理事長の考えることだからな。」
少し休憩を挟み、今度こそAと光輝は帰ることにした。
Aたちが家を出ていくと、竜がふと真面目な顔になる。
竜「アニキ、今ちょっと良いか?」
尊人「ん?良いけど、ねみいな……。」
竜「話聞いてくれたら寝て良いから。」
尊人「何だよ、深刻な顔して?」
竜「アニキ………俺、あいつのこと好きだ。」
尊人「………Aのことか?」
竜「ああ。」
尊人「………そっか。」
竜「………え、それだけ?」
尊人「他になんもねえだろ。選ぶのはAだ。
もちろん、俺は手は抜かないし、お前も本気でいけ。」
優しく微笑む尊人に、竜はホッとして微笑み返した。
やはり、竜にとっては偉大な兄だと改めて感じる。
お互い、拳を重ね、エールを送りあった。
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うみか(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます!これからもネクストには活躍していただくので、よろしくお願いします。 (2021年7月29日 21時) (レス) id: 81b182e416 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 更新ありがとうございます!いっちゃん好きなのでなんなほっこりします (2021年7月29日 1時) (レス) id: 333f181d63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うみか | 作成日時:2021年7月27日 0時