beautiful Tears ページ44
＊歌詞ではなくMVをイメージしてお読みください
僕はいつも君を見つめる
君はいつもあいつを見つめる
僕ならそんな顔させないのに
ねえ、僕ではダメなの？
そんなことも聞けないけれど
君の悲しい顔はこれ以上見たくないから
僕の方を向いて欲しいから
君にいつものように声をかけると
君は微笑みながら振り返ってくれる
『どうしたの？グク？』
JK「次の授業一緒に行こう？」
『うん！』
僕なら君にあんな顔はさせないのに…
微笑む君の後ろで女の子達と笑うあいつが見えた
サークルの部室の前で
いつも温和な君があいつと口喧嘩をしていた
僕の立入る場面ではないけれど
どうしてもそこから動けなかった
パシン
乾いた音に顔をあげると
顔に手をあててしゃがみこむ君の姿と
背を向けて歩いていくあいつの姿
僕は直ぐに君に駆け寄って
アイツを睨むで走ろうとすると
君は僕の腕を掴む
『いいの…』
僕はさっき買ったジュースを慌てて君の頬に当てる
君はびっくりしたように僕を見つめたあと
大粒の涙を零した
その姿に僕は君を抱きしめずにはいられなかった…
それから僕はいつでも君と一緒にいた
春、夏、秋、冬
君はいつでも僕の隣で笑っていた
時々あいつを見つけて寂しそうな目をしているけど
僕もそれには気付かないふりをしていたんだ
JK「え…留学？」
『うん…急でごめんね』
JK「いつ？」
『…今日』
突然告げられた事実
空港まで送りに行った
これが最後のチャンス
ゲートへ歩く君に後ろから伝える
JK「好きだ！」
振り向いた君は申し訳なさそうに
『ごめんねグク…でも本当にありがとう』
見えなくなった君の後に僕はしゃがみこみ泣いた
帰る道すがらあいつが走っていたのが見えたけど
JK「…いまさら遅いんだよ」
月日は流れ
俺も大人になった
会社では後輩を連れて挨拶に行き
大きな企画も任されるようになった
そんな時に一通の招待状がくる
君が結婚式をするという知らせだ
JK「…ていうか帰ってきてたんだ」
結婚式当日は懐かしそうに顔を合わせる人達
俺は友達はいない方だったから…
新郎新婦が出てくると俺は驚いた
君と一緒に歩いていたのはあいつだった
でもあいつが君を見つめる目は
もうあの時のような瞳ではない
俺は君と彼をそっと見届けた後に
幸せそうな2人に背を向けて去っていった
君が後ろから俺を見ていたのも気が付かないで
『ありがとうグク…』
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作者名：雅 | 作成日時：2020年2月2日 22時
