本当の血汗涙 ページ33
【注】作者なりの解釈と曖昧さのある表現で書いておりますのでご了承ください
私の大切な人達は…
次々と心が変わっていってしまった…
怠惰と傲慢と失望と…
自分のやるべきことを見失った者は
落ちていく…
私はあなたを守らなければいけないのに…
1つの絵を見つめるあなたは
まるでこれから起きることを知るかのようで
私は心配だ…
ブランコに乗った彼は
はやくも落ちてしまいそうだ
私は腰掛ける彼に聞いても
彼は私の考えとは正反対だ…
椅子に座った彼と共に
私にも緑色の煙が誘惑してくる
そうこうしているうちにまた1人の彼が
グラスに入った1杯の誘惑を飲んでしまった…
彫刻の前に立つ彼は
弓矢で守ってくれている…
私が話した彼は私とは違う正体だ…
私とは違う存在だということを隠し通している…
私達はまだ知らない
この晩餐が最後だということを…
誘惑に抗う者
誘惑に染まる者
誘惑に気づく者
誘惑されていない者
私は彼と取引する
誘惑から守る者として…
しかし私もまた誘惑に騙されて落ちていく…
弓矢で守る彼は誘惑されてしまった
もうみんなで晩餐会は行えない…
彼はブランコの上で
ただただ落ちるのをひたすら待つばかり
ベールに包まれていた彼は
次第に姿を表していく
口から煙を出している彼は
もう自由はなくなってしまっている
目を塞がれた彼は
前が見えなくて光を失って迷い暗闇に落ちていく…
あなたからまた1人、また1人と離れて消えていく…
なぜ気がつかなかったのだろう
オルガンを弾く彼に…
なぜ気がつかなかったのだろう
ベールの中の彼に…
誘惑者はすぐ近くにいたのに…
彼らが走っても
手を差し伸べてくれても
このオルガンの音色が響く音に
振り向くあなたがいるから
私はまだ守らないといけない…
でも振り向いた時には
あなたにも誘惑が迫っていた…
あなたが彼の掌で目を塞がれ
次に目を開けた時には
誘惑はもう目の前…
あなたは誘惑を受け入れた…
私はあなたを守れなかった
そんな私は誘惑された彼らの手をとり
守れなかったあなたから逃げていく…
あなたの傍にはあなたを誘惑した彼がいるから…
あなたが守りたかった彼らも誘惑の渦に飲み込まれている
でも私は誘惑の中にいながらも信じている
あなたは誘惑の中にいても強い人だということを…
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作者名：雅 | 作成日時：2020年2月2日 22時
