狐、オメガです【呪術廻戦】

Ωの狐が29匹〜禪院真希〜 ページ36

『…え、と…俺番いるんで…』



咄嗟に嘘をつく
自分でも下手くそな嘘だと分かる
それは相手も同じようだった


「貞操帯付けてんだろ、下手な嘘つくんじゃねーよ」



荒々しく髪を掴まれる
痛みと共に髪が抜ける感覚がする
Ωに優しくする気はないようだ




『い"っ…』


苦痛に顔を歪ませると相手はニマニマと気持ち悪い笑みを浮かべ、こちらを見る
嫌な趣味を持っているようだ




「Ωの割にはいい顔するじゃねぇかよ」



こいつっ…
こっちが手を出さないからって調子乗りやがって…！

『…っ、きつ 真「よぉ、なんか面白い事になってんじゃねぇか」…真希先輩…！』




狐火、と言いかけた所を遮るように真希先輩が間に入る
男はいきなり現れた真希先輩に最初は驚いていたが、何かを思いついたように笑う


「お前が拒否するなら、こっちの女に相手させるぞ」



『…っ！』



このゲス野郎っ…
ギリっと歯を噛み締める
真希先輩を出せないことを知ってて言ってるのか、それとも真希先輩に標的が変わったか…

どちらにしろ、もう黙っていられない




『お前っ… 真「なるほどな…」…んっ！？』



1発殴ってやろうと前に1歩出ようとした瞬間
真希先輩は俺の腰を抱き寄せ、ためらい無く口にキスを落とした



『んむ"っ……ん……ぇ』


それに加えて舌をねじ込まれる
何が起こっているのか分からない俺を差し置いて真希先輩は舌を絡ませる
口の端から唾液が漏れ出す





真「悪ぃな、私のなんだわ」


『…？……！？』



口を離すと真希先輩は俺の頭を自分の肩に置き、ポンポンと撫でて男にそう言った

男はハッとして「俺は2人相手でもいいぜ？」とほざく
さすがに真希先輩もこれには腹が立ったようで「あ？」と返す



「よく見たらお前もいい体 真「しつけぇな」」



真希先輩はそう言って男の頬を殴った


え？殴った？




『え"』


それでは飽き足らず蹴りを喰らわせようとする真希先輩を止める


『待って待って！真希先輩！相手意識無くなってる！！』


真「あぁ！？先に喧嘩売ってきたのはアイツだろーが！」



さすがは負けず嫌いで禪院家を出た先輩だ
自分が見下されたのが相当キてるらしい


『これ以上騒ぎにするのはマズイですからっ…』


真「ﾁｯ…」



真希先輩は小さく舌打ちをしてからまた俺にキスを落とす
今度はすぐに離れて「これに免じてやる」と、にんまりと笑い舌をべ、と出して言った


『〜〜っ』


俺は熱い顔を押さえて真希先輩の後を追った

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