狐が27匹 ページ31
『……』
目を開く
明かりが眩しい
家「お、起きた」
『家入せんせ…』
高専の医師
家入先生、もといしょーこさんが隈がついた目で俺を見る
家「全く、お前の治癒能力には毎回驚かされる。1回解剖してみたいものだ」
『まだ死にたくない…』
寝転がったまま言葉を吐く
治癒能力、俺は他人の傷を自分を移す呪術がある。だがそれを普通の人間がやってみろ、治るのに何ヶ月かかると思ってるんだ、って話だ
だけど妖狐の先祖返りの俺は違った
生まれつき、傷が治るのが異様に早い
だからこそこの呪術を使いこなせる
家「まぁ、今回は喉潰れてるし、腹は半分裂けてるし、顔も凄い傷だったけどな」
『それ全部俺の傷じゃないんだよな…』
遠い目をして答えるとしょーこさんはじとーっと俺をまた見つめる
『はい、俺が何でもホイホイ移すからそうなる、って言いたいんでしょ…』
家「分かってるなら控えなよ」
『知ってるでしょ。…俺は一般人なんてどうでもいい、虎杖や伏黒、釘崎、棘先輩たちが守るから俺も守るだけだ』
それを聞いてしょーこさんは露骨に嫌な顔をする
…多分、こいつ気持ち悪っ…、って思われてる
家「その執着、気持ち悪いしやめた方がいいと思う」
『…やめれたらいいんだけどね』
へらっと笑ってみせると盛大にため息をつかれる
家「分かった、今のは聞かなかったことにする。とりあえず起きたならあのバカ(悟)の所行ってきたら」
『うん、ありがと』
ベッドから起き上がる
腹はまだ痛むが、動けるな
家「あ、無理に動くと腹裂けるから」
『え、待って、これ裂けるの?』
まだ裂ける可能性のある傷らしい
…明日には治ってるだろうから、今日は安静にしていないといけないかも
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五「プレイボール!!」
『…っ…ふふふwww』
俺は今自分のチームのベンチで見学中
審判務めてる悟を見て笑いが止まらない
やめてほしい、ほんとにやめてほしい
腹に響く
裂ける可能性のある傷に響く
『ちょっと誰か五条せんせに突っ込んでよ…』
虎「ノリノリだし、いいんじゃね?それより傷は大丈夫なのかよ」
狗「しゃけしゃけ」
棘先輩は心配そうに俺の喉を見つめる
まだ大声は出せないが、日常生活に支障はない
『大丈夫。まだ腹の傷だけ痛むけど動けるし』
そう
腹だけまだ心配なんだ
だから悟を誰かどうにかしてくれ
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五「そこで笑ってるけど後で説教だから」
『え』
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作者名:有無@気ままに更新 | 作成日時:2021年1月9日 21時