約束【桃】 (ページ27)

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▶︎ASide

高二の夏休み。

夏休みといっても照とは部活の後ほとんど毎日会っていた。

久々に照の部活が休みの日、いつものように照の家へと向かう。

ピンポーン

『おじゃましまーす。…ってあれ？今日ってもしかして誰もいないの？』

いつもなら「いらっしゃい」って照のお母さんも一緒に出てきてくれるけど、今日は異様に静かだった。

照「今日はみんな出掛けてる」

家の中に照と二人きりだという事実にいつもより緊張してしまう。

先に部屋に上がるように促され、もう何度も来ているはずなのにそわそわしてしまう。

少しすると、照は二人分の飲み物を持ってきた。

照「はい、Aのぶん。
今日どうする？何か映画でも見る？」

『うん！観たい映画あるんだけどいい？』

照「もちろん。恋愛系？」

『そう、照と観たくて取っといたの！』

「可愛いやつ」なんてくしゃっと目尻を下げて笑う照にいつもよりド○○キしてしまう。

リモコンを操作してテレビに映し出された映画をベットに寄り掛かりながら二人並んで観る。

想像以上に面白くて緊張も忘れて観入っていた物語の中盤、突然始まった過激なラブシーン。

ド○○キしてチラッと照の方を見るけど、ストーリーに集中していた照はそのまま観入っている。

意識してるのわたしだけなのかな？

どうしよう、気まずい…。

少しして感じる視線。

照「A、顔赤いよ？」

『ごめん、こんなシーンあると思わなくて』

そう言いながら照の方を向くと、長めの前髪が目にかかっていて表情がわからず、

ついつい視線が唇に向かってしまう。

わたしの視線に気が付いた照は、いつもより色っぽい顔をして近づいてきた。

いつもみたいに唇が触れ合うだけの優しいキスじゃない。

僅かな隙間から入ってきた照の舌が欲望のままに動き回る。

初めてのことに驚いて目を開けて照を見れば、照もまたゆっくりと目を開けて熱い視線が重なり合う。

照「嫌じゃない？」

照に抱きしめられながら甘い目と声に溶かされてしまえば、こくんと頷くしかなかった。

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