約束【桃】 (ページ14)

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▶︎照Side

Aと一緒にいると本当にあっと言う間に時間が過ぎていく。

帰りにタピオカ屋さんでタピオカを買って公園に寄り道したりしたけど、気が付いたらもうAの家の前に着いてしまっていた。

『照、送ってくれてありがとう！
明日から夏休みだししばらく会えなくなるね。…じゃあ気をつけて帰ってね！』

照「待って、A」

呼び止めた俺を不思議そうな顔で見るA。

俺は拳をギュッと握って勇気を振り絞る。

照「あのさ、今度の花火大会、一緒に行かね？」

『花火大会？行きたい！浴衣着ちゃおうかな』

照「お、おう」

笑顔で嬉しそうなAにホッと胸を撫で下ろす。

照「じゃあな」

『うん！楽しみにしてるねー！』

バイバイと手を振るAが家に入ったのを確認してから歩き出した。

…

そしてあっという間に花火大会当日。

準備をしてAを迎えに行く。

ピンポンを押して少し待つと薄いピンク色の浴衣を着たAが出てきた。

かっ可愛すぎる…。

やべぇ、ニヤける顔を抑えられない。

勝手に上がる口角を必死に隠して「似合ってんじゃん」と声を掛ける。

『久しぶり！照も浴衣着てきてくれたの？』

照「Aが浴衣着るって言ってたから着てみた」

『すごく似合ってるよ！かっこいい！』

Aに突然かっこいいなんて言われて最高に上がるテンション。

『あれ？ふっかは？向こうで待ち合わせ？』

その一言で一気に最下降するテンション。

照「いつもふっかふっかってさ、今日は二人なの！
…それとも俺と二人きりじゃ、嫌なの？」

『え？全然嫌じゃないけど…いつもふっかも一緒だから今日もいるのかなって思ってただけだよ？』

照「俺って仮だけど一応Aの彼氏だよな？
たまには恋人らしいことしてもいーじゃん？」

『へ？うん、』

戸惑いながらも少し照れてるAの手を握って歩き出す。

頬を染めてるのは、俺のこと少しは意識してるってことで、いいんだよな？

そのまま手を繋いで花火大会の会場に着くと、とても賑わっていた。

照「俺から離れんなよ」

Aの小さな手をギュッと硬く握り直す。

露店でヨーヨー釣りしたりりんご飴買ったりして楽しんだ後、河原に二人並んで座る。

花火が始まると、光に照らされたAの横顔が綺麗で見惚れてしまって、俺はほとんど花火に集中出来なかった。

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