Distance makes the heart grow fonder

♯26 ページ27

「じゃ何を考えていたんだ？」
「朝食を悩んでいて どちらも興味があるけど喉の調子が悪いから両方は食べれないなと…」
「じゃっ両方頼もう 残しても僕が頂くから一緒に食べよう」

そういうと太輔はルームサービスを頼み、届けてくれた朝食を食べやすい量にして、口に運んでくれる
勿論遠慮したけど聞いてもらえず
溺愛されてるという状態を朝のスイートルームでこれ以上ないほど実感した

予告通りに着替えるのも手伝ってくれた太輔が、軽く髪型を整えてくれて
「うん、宏光は今朝も最高に可愛い」

太輔が口を開く度、糖質の高い甘い言葉が出てきて、嬉しいけど恥ずかしくてつい瞳を伏せてしまうが、頬を手のひらで包むように顔を上げさせられる

「ところで今夜は何時までなら電話をかけてもいい？ 予定が入っていて遅くなりそうなんだ 本当ならデートしたいのに」
「お、俺とデート?!」
「勿論 可愛い宏光とデートを沢山したい」

太輔みたいな華やかな人の隣に並ぶにはかなり地味な方だと思うし、周りから見てもおかしいと思われる組み合わせだろう

それでも太輔は本気らしく、俺を弟の友輔さんに紹介したいなんて、とんでもないことを言い出した

「6年前から僕が宏光を探してたことは家族も知ってるんだ ようやく見つけれることが出来て、しかも恋人に出来た 友輔は丁度同じホテルに泊まっているから今すぐにでも紹介したいくらいなんだけど」
「だっだめです」
「どうして？」
「……1つ聞いてもいいですか？」
「なに？」
「友輔さんは貴方から同性の恋人を紹介されても驚かないんでしょうか？」

忠告の気持ちも込めて確認してみると…思いがけない返事が来た

「たぶんね」
「たぶん？」
「同性の恋人を紹介するのは初めてだから断言は出来ないけど、一族内には同性のパートナーを得てる人も何人かいるし、うちはかなりリベラルな家風だと思うから、恋人の性別にこだわってないから気にしないんじゃないかな」

唖然としてしまった
一族内に居ても周りは変わりなく接してるのなら、リベラルな方なんだろう
だからといって100%大丈夫と言うわけじゃない
だって太輔は時期当主筆頭候補

「あの…俺を紹介して下さるのはまだ早いと思います…」
太輔の眉が軽く下がったが、諭すような気持ちで指摘する

「俺達は昨日再会したばかりで、太輔はまだ俺の事をちゃんと知らないじゃないですか」

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