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「…え、なに突然」
たくろうに真っ直ぐ見つめられて、思わず目を逸らしてしまう。
「……………そりゃ、ね?いつかはしたいよ、いつかはね?」
私だって、いつかは結婚したいし良い家庭を築きたいと思っている。
…って、なんでこんな話してんだろう。
すると彼が、またもやポテトに指を伸ばしながらゆっくりと口を開いた。
「今まで彼氏もろくにいたことないのに、まともなヤツと結婚できるん?(笑)」
…は。
「…だって…だって高1のとき彼氏つくるって張り切ってたのに…!はは…!」
彼のツボに入ってしまったのか、両手で口を抑えて涙が出るのを必死で堪えているように見えた。
「あ、あれは…!もううるさいなあ!!!」
私は高1のとき、彼氏を作ろうとしてまずは色々な人と友達になった。
その結果、隣のクラスのとある男子に告白された。ストレートに「好きです」と言われ、素直に嬉しかった。…が。
まだよく知りもしない人と、私は恋人になるの?
私の何を知ってて、どこを好きになったの?
そもそも付き合うってなに?
「……気持ちは嬉しいけど…ごめんなさい…!」
なんだか怖くなってしまい、その場から逃げるように走り去ってしまった。
鞄を取りに教室へ帰ると、
「……っ!…たくろお〜〜〜…助けて………」
「…おお、どうした」
偶然、たくろうが残っていたのだった。
…もう全て話してしまおう。
このときの彼によると、私は"追いかけられると逃げたくなるタイプ"らしい。
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作者名:凛 | 作成日時:2019年6月10日 23時