魅惑的で不思議 【名前変換オリジナル】

#１２ ページ12

月曜日って憂鬱だよね。

どこからか、そんな声が聞こえてきた。私も同感。

月曜日は大体荷物が多くて教科も沢山入ってるし、6時間授業ばっかり。


『はぁ……』


爽やかな青空とはまるで反対な暗くて重たいため息をひとつ。

教室に足を踏み入れると、黒板に貼られたA4のプリント用紙が目に入った。

どうやら、今日の放課後に席替えをするらしい。

何となくいつもより浮き沈みの激しい気持ちに違和感を感じつつも、いつもの窓際の席へ腰をおろした。


「A〜……」


『なぁに、宮浦くん』


ぐでーん、と日向ぼっこをする猫のように机に伸びる宮浦くん。

なんだか最近、どうでもいいこととかで話しかけてきたり、ちょっかい掛けてきたりする事が多い気がする。

以前よりも人間味……というか、柔らかい表情が多くなったのだ。

無機質な表情をしていても人一倍カッコいい宮浦くんが、柔らかい表情をする。

＿そりゃ、もうカッコいいの次元ではなかったよね。


「眠い……」


『朝だからね〜』


「ん……。やっぱ寝るわ、後で起こして」


『えぇ？』


こんな下らない会話でも、国宝級の顔と話してるとそんなことすら気にならない。

夏のじりついた暑さが不快だったのか、宮浦くんはYシャツのボタンを上から2つくらい外すと、ぐいっと力任せにネクタイを緩め、こちらを覗き込んだ。


『ﾋｪ……』


白い肌と鎖骨が隙間から覗く。

それだけで、心臓のバクバクとした音が全身に響くように鳴った。


＿夏休みまで、あと11日。

#１３→←#１１

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す