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私の後頭部に回す右手とは反対の、ベッドについた左手から、ギシッと軋む音が鳴ると、パチッと目を開けた岸先生が、ゆっくりと唇を離した。
『………なに、……してるんですか…』
本当は嬉しくてたまらないはずなのに、こんなことしか言えない私の言葉に、未だ距離の近い岸先生の顔が歪んだ。
「………なに、……してるんだろうね…俺」
その表情は、罪悪感からなのだろうか。
だとしたらそれは、誰に対して？
『………うわき、…ですか？』
目の前に、彼氏のいない、自分に好意を寄せてそうな相手がいたから？
ちょっとからかってやろうって、思っただけ？
渦巻く負の感情に、だんだんと目頭が熱くなる。
これ以上ここにいたら泣いてしまう、と
岸先生の胸を両手でグッと押した。
「……浮気じゃないよ、」
『………は？』
こんな子供な私は、浮気相手にすらならない、ということだろうか。
耐えきれず、ぽたりと涙が一粒落ちた。
「浮気じゃない、」
岸先生の胸を押したままの私の手を優しく剥がした大きな手で、私の頬を包むように伝う涙を拭った。
「彼女いないし、俺」
頭が混乱して、これがプレイボーイなのかな、なんて
岸先生はそんな人じゃないってわかってるのに、悪いほうに考えてしまう。
『………嘘だ、』
「嘘じゃないって。……誰がそんな噂流してんの？」
……思い出した。岸先生のことを好きな女子生徒が言い始めたんだ。
きっと、岸先生に彼女がいるって知れば、ライバルが減るって思ったんだろう。
その子以外から、岸先生に彼女がいるなんて話、聞いたことなかった。
今思えば、ただの噂にすぎないって気付けるのに。
「Aさんの好きな人、」
俯いた顔を岸先生の手によってあげられて、強引に目が合う。
まっすぐに見つめられるから、その視線から逸らすことができなかった。
「そんな完璧な人に敵わないかもしんないけど、」
やっぱり、私の好きな人が自分だと分かってなかったんだって思ったけど
その、熱い視線と触れている部分から伝わる熱で、気付いてしまう。
岸先生の、本当の気持ち。
「Aちゃん、俺の彼女になってみない？」
fin.
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hinata(プロフ) - ゆかさん» いつも読んでいただきありがとうございます！！ずっと見てくださってるなんて…ほんと嬉しすぎます！(；；)そう言っていただけるならいくらでも書きますので！これからもぜひよろしくお願いしますm(_ _)m (2021年2月16日 23時) (
レス) id: ef05115d0f (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - 月さん» はじめまして！！読んでいただきありがとうございます(；；)リピ読み…！めちゃめちゃ嬉しいです！！！また気が向いたときにお読みいただければ幸いです…！コメントもありがとうございました！！ (2021年2月16日 23時) (レス) id: ef05115d0f (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - 更新嬉しいです！ずっとお気に入り作者登録しております。また新作書いてください！飛んできますので！笑 (2021年2月15日 0時) (レス) id: 3890b64e54 (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - hinataさんはじめまして。完結おめでとうございます！保健室とベッド好きすぎてリピ読みさせてもらってます！ (2021年2月14日 23時) (レス) id: 11039f4f3f (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - AAAさん» わああとっても嬉しいです(；；) ドキドキしながら投稿したのでそんなこと言っていただけるなんて、、 わたしも頭の中で続編考えてしまいました笑 これからもよろしくお願いします！m(_ _)m (2020年4月14日 19時) (レス) id: ef05115d0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hinata
| 作成日時：2019年8月18日 5時
