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「っぷはぁ。よし、復活！
岸くんあと何時間？」

「今が夜の11時だから、あと1時間」

「1時間か、余裕だな」

彼らが話しているのは営業時間のこと。
この店の閉店時間は24時のようだ。

「ねぇ紫耀。今日はどんな感じ？
そういえばさっき
シャンパンタワーやってたよね」

宝石のように目を輝かせて
紫耀を見つめる海人。

「あぁ、なんかAちゃん今日誕生日で。
プレゼントあげたら喜んでくれてさ。
お礼にって・・・ありがたいよね」

「へーかっこよ。さすがプリンス」

“プリンス”
どうやら彼、紫耀がこの店のNo.2のようだ。

「そんなことないよ。
海人、岸くん。そろそろラストスパート」

紫耀の言葉を合図に
それぞれが立ち上がる。

ポンポンと軽くジャケットのシワを直し
再びキラキラとした店内へ。

立ち上がった彼らに
先ほどの緩やかな表情はなく、
あるのは女性を喜ばす
ホストの顔。

先に戻っていた廉とじんは
すでにたくさんの女性を虜にしていた。

指定された席に着くと、
即座に客は彼らの手の内。

甘い言葉を囁けば、
その瞳はもうすでに彼らしか映さない。

この店の絶大な人気を誇る5人。

弟系、天然系、フレンドリー系
紳士系から、ちょっぴりS系まで。

そんな彼らにとって、
ホストはまさに天職と言えるだろう。

お店が閉まる、その時まで。
彼らはずっと“お客様の彼氏”なのだ。