We are...４ (ページ19)

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月のように儚い君〈じぐかい〉ページ19

一般人設定付き合ってない

神宮寺

普段は甘えん坊で寂しがり屋。
明るくて、どこかひまわりみたいな、
そんな可愛い笑顔を咲かせて笑う人。、

俺は君に恋をした。

君にとって俺は、
ただ仲のいい友達の１人にすぎないだろう。

それでも俺は
無邪気なところや優しいところ。
そして、繊細なところ。
全部を知って好きになった。

まだこの気持ちは伝えない。
伝えてしまえばこのままの関係で
いられない気がするから。

まだ、というか
もしかしたらずっと伝えないかもしれない。

けれど、
たまに溢れ出してしまうのだけは
許してほしい。

君は気付いていないから。
気付いてくれないから。

「ねーじん！今日は中秋の名月ってやつだよ。
ベランダ行こ！」

無邪気に俺の手を引っ張り
グイグイとベランダへ連れ込まれる。

ここ、俺の家だけど・・・

頭の中ではそんなことを思いながらも
どこか嬉しい気持ちが勝ってしまうのは
きっと君に恋をしているから。

「うわぁ、綺麗。満月だ」

キラキラと目を輝かせて
満月を眺める君。
そんな君の横顔を盗み見ながら
俺も視線を月へと向けた。

「ほんとだ、」

薄く伸びた雲をかぶりながら、
儚く透き通った輝きを灯す月。

まるで、君のよう。

ーーなぜだろう
向日葵のような君を、月に例えてしまうのは。

隣には彼。空には美しい月。

そんな月を見る彼もまた
長く伸びた睫毛を揺らし、
整った綺麗な横顔に光を浴びて

月よりもなお、儚く見えた。

向日葵は太陽だけを見つめ
精一杯に手を伸ばす。

でも、届くことなく散ってゆく。
その儚さは月に重なる部分がある。

太陽と反対側にいる月は
交わることはほとんどない。

だから、君を月に重ねてしまったのだろうか。

ある日本の有名な小説家が
人間の恋心を月に例えたことがある。

伝えられない秘めた想い。

この瞬間だけでいい。
この綺麗な月に君への想いをのせてしまおう。

隠し続けた想いを
月を通して吐き出そう。

明日からはまた、
いつも通りの友人で居られるように。

「海人、月が綺麗ですね」

きっと君はこの意味を知らないから。

「そうだね。
……じんといっしょに見るからかな」

(完)

日付が過ぎてしまいましたが
中秋の名月にかけてお話を考えてみました！
儚いお二人…大好きです。

最後の海人くんの言葉にも
少し意味があったりして…？