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「廉ー考えごと？」

「あぁ、ごめん。
紫耀と初めて会った日のこと思い出してた」

「あーあの日な。
俺めっちゃ態度悪かったよな」

はい、立って。

腕を引かれパーキングブロックから
立たされると、
俺の座っていた位置に綺麗なハンカチを
さっとかぶせる。

紫耀の優しさ。
制服が汚れないようにって。

紫耀の制服の方が明らかに高いし
なんならこのハンカチだっていくらするか。

でもこれは、あの日ここで
待ち合わせした時からずっと変わらない。

「でも驚きやな。
あんなに最悪な出会いやったのに」

「確かに。今となっては
廉は俺の一番大切な人になってるからな」

ほんま、信じられない。
御曹司の紫耀と庶民の俺。

「なぁ紫耀。ほんまに俺でよかったん」

紫耀に告白された時から
ずっとずっと思ってる。

紫耀みたいな人なら
もっと綺麗な人とか、お嬢様とか
絶対いろんな人に出会えてるのに。

「何回でも言うけど、俺は廉がいいの。
んーん。廉じゃなきゃダメなの」