大切な人を見つけるお話【諸伏景光】

33話 ページ35

諸伏side

なかなか進捗の無いAの失踪事件

そこに入った1つの情報はあまりにも刺激的すぎた



"火傷を負った女性"



そして、その女性は拳銃を手にしていたという目撃情報もある



「Aなのか……」



自分にも聞こえるか聞こえないか分からないくらいの小さな声でそう言った



ダメだ、A……
撃ってはダメだ









＿＿＿俺が絶対にその引き金を引かせない








「すまない、入れてくれ」



現場近くに着くと規制線が貼られ、見張りの警官が立っていた
警察手帳を見せると警官は一礼をし、規制線を外した



雑居ビルの地下…そこにヤツらはいた
そしてどうにかしてその情報を手に入れたAが……敵討ちという名の復讐を遂げに行った…のか



「ヒロ！！」



「ゼロ…すまない、遅くなった」



先に現場に着いていたらしいゼロが俺に声をかけてきた



「いや、俺もたったさっき風見から連絡を受けて来たばかりだ」



「状況は？」



「近所の人の証言によると銃声は2発から3発、民間への被害はまだ出ていないが…」



ゼロが喋っている途中だった
この雑居ビル全体に銃声が鳴り響いたのだ



「急がないといけないみたいだな、ヒロ」



「……だな」

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