大切な人を見つけるお話【諸伏景光】

11話 ページ13

諸伏side

『景光さんってかっこいいですよね』



『え？』



Aと事件の張り込みをしていた際にいきなりそう言われたことがあった



『警察官としての正義感、見習いたいです』



褒められて悪い気はしない
素直に嬉しかった



『ありがとう…』



『景光さん、照れてます？』



そう言って笑うAの声が好きだった
彼女の声色は聞いてて落ち着く



『照れてない……そんなことより、Aはどうして警察官になろうと思ったんだ？』



『えーっと……』



初めて話した時も彼女の声が自然と耳に入ってきた
周りの人もそう言っていたのを聞いたことがある
彼女の声は聞いた人を落ち着かせるものがあるのかもしれない



『守りたい人でもいるのか？』




『いえ、守りたいっていうか……もう＿＿た＿＿＿＿す』



Aは＿＿＿な声でそう言った



A声はどんな声だった？
なんで、また…


ありえない……どうして





＿＿＿彼女の声が思い出せない






どうして大切なものばかり失っていくんだ……



夢、なんだろ……
早く覚めろよ、なぁ




「………なんだよ、もう覚めてたのか」



頬を伝った液体は熱を持っていた

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