安定期１ ver.Ｂ（きょもほく） ページ37
「ねぇ北斗…『安定期』ってさ、妊婦さんに使う言葉だよね？」
「んあ？…うん、そうだよ」
本を読みながら顔も上げずに適当な相槌を打ってきた北斗。
「北斗は、安定期？」
「まーね…安定期…」
俺の言葉、ちゃんと聞いてた？
「そっかぁ北斗は安定期なんだね。俺の赤ちゃん妊娠した？」
「へ？」
「北斗、自分で安定期って言ったじゃん。俺らの愛の結晶かぁ」
俺は北斗のお腹を撫でた。
「ばか…できるわけないじゃん！」
北斗が顔を真っ赤にして本を閉じた。
「なーんだ。こんなにいっぱい愛し合ってるんだから男の北斗も奇跡的に妊娠たかと思ったよ」
「ば…か…何言ってるんだよ！」
北斗…耳まで真っ赤だよ。
「だってさ、俺の…毎回いっぱい北斗に注いでるじゃん？だからもしかしたらあり得る話かなって。笑
はーあ、なんか…こんな話してたら北斗が安定期入るくらい、いっぱい愛したくなっちゃったよ…だめ？」
首を45度傾げて北斗を見つめる。
必殺、北斗落とし。
「だめ…じゃ、ない…」
「ふふふっ…北斗、顔真っ赤だよ？かーわいー」
「可愛いのは…京本の方だろ…？」
いつも北斗は可愛いのは俺の方だって言うけど、そろそろ、その認識改めたほうがいいよね。
「ばーか、可愛いのは北斗に決まってるだろ！ほら？」
「あ…京本…待って、…」
「待たない」
可愛い北斗をそのままソファーに押し倒して北斗の唇を塞ぎ直ぐに舌を絡めとった。
北斗の舌は熱く柔らかで食べてしまいたいくらい。
舌を強く吸ったり舌先でペロペロとくすぐるように舐め啜る。
北斗は嫌がらずに俺の舌を受け入れ…もう蕩けた顔してる…。
唇を離すと北斗の口元からは飲みきれなかった2人の蜜がいやらしく溢れてる。
黒く長い睫毛に涙の滴を溜めて、うるんだ瞳で俺を見つめ誘ってくる。
無意識に男を誘う北斗。
「北斗…いっぱい注いであげるから…愛の結晶作ってね？」
どれだけ愛しても男の北斗に子供ができないのは分かってる。
でも北斗の中で俺と混じり合った何かが「愛の結晶」として、北斗の中に芽生え、俺から逃げられない理由として残したい。
そう言う意味で、北斗を孕ませたい。
北斗は知らないだろけど、実はこんな危ういことを考えてるだよ俺は。
「うん…京本、いっぱい注いで…俺の中で愛の結晶…作るから」
北斗が少し照れながら、そう言って俺に抱きついてきた。
そんな可愛いことするなんて、今夜は北斗の中が俺で溢れるまで寝かせてあげれないよ？
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作者名：おゆまる
| 作成日時：2020年5月4日 16時
