３２ 海中 樹side ページ33
樹side
魔女「うーむ…北斗のそばにいる人間が『華鱗』を奪ったのかもしれないね。
この人間…どうやら北斗に惚れてるようだよ。
北斗からぴったり離れないし。
そうだね…この人間、北斗のことは傷つけるつもりはないようだね」
北斗が殺されたり傷つけられたりしてないことを知ってとりあえずホッとした。
でも『華鱗』を奪うなんて許せない。
樹「…こいつ、高地の言う通りで最初から、北斗が狙いだったんだな…」
たぶん、慎太郎を餌に北斗を捕まえたんだ…なんて卑怯なことを！
魔女「まさかとは思うけど、北斗もこの人間が好きってことはないんだよね？」
たろ「北斗が？ありえないよ…」
魔女「人間と人魚の想いが通じ合って、一緒に生きていきたいって２人が願ったら…もう人魚に戻れなくなるからね。
だから、もし北斗がこの人間と両想いになったら海には戻ってこないよ」
樹「大丈夫、北斗に限ってそんなことは絶対ありえない。陸嫌いで、人間嫌いだし、しかも今まで人魚相手ですら恋をしたことがないんだから」
たろ「そうだよ。北斗はずっとお嫁に行かないで南の海に居たいって言ってたもん」
魔女「そうかい…ならば、なんとしても『華鱗』を見つけなくちゃね。…でも捨てられていたら…難しいかねぇ」
高地「ばーや、何とかできないですか？どうか…お願いします」
魔女「…北斗のために特別な『華鱗』を作れないわけではないけど…それにはお前たちのその長い髪が材料として必要だよ？どうする？」
人魚の『姫』の証である長い髪。
それが必要ならば、北斗のためなら…惜しくないよ！
樹「俺の髪なんかいくらでも捧げるよ！」
たろ「俺の髪も！」
高地「俺のも使って下さい」
魔女「分かったよ。では特別な『華鱗』を作るとしよう。北斗が人間から人魚に戻った時に必ず渡すんだよ？」
樹「分かった！」
魔女「では、しばらく時間をおくれ」
樹「どれくらいかかるの？北斗は次の満月には海に返してもらえる約束を人間としているんだ」
本当に海に返してもらえるのだろうか…。
不安しかないが、信じるしかない！
魔女「分かったよ、次の満月には間に合わせるよ」
高地「どうか、お願いします」
俺たちはナイフでそれぞれの髪をバッサリと切った。
俺の桃色髪。
慎太郎の茶色髪。
高地のメッシュ髪。
それぞれの髪の束を、ばーやに預けた。
後はひたすらに北斗が人間に傷付けられないように、無事に次の満月に海に戻ってこれるようにと願うだけだった。
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おゆまる(プロフ) - 名もないさん» 早速なおしました！教えて頂きありがとうございました！ (2021年9月18日 18時) (
レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
名もない - 36お城の「練習しようよ」が「練習ようよ」になってます！ (2021年9月18日 17時) (レス) id: 41a47282a9 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - リおさん» コメントありがとうございます！めっちゃ面白いって言っていただけて嬉しいです(o^^o)他のお話も読んでいただいてるんですね、嬉しいです！更新は不定期になりますが頑張ります！ (2020年6月8日 9時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
リお(プロフ) - めっっっちゃおもしろいです（ ; ; ）更新頑張ってください…！おゆまるさんの作品全部大好きです…！！ (2020年6月3日 21時) (レス) id: 1a67c38f2a (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - 腐女子ちゃんさん» いつもコメントありがとうございます！ほくちゃん…初恋に戸惑ってます。すれ違いってツラいですが、ほくちゃんには最後は幸せになってもらう予定です！ 更新頑張ります(o^^o) (2020年5月31日 16時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆまる
| 作成日時：2020年4月5日 23時
