３０ お城 北斗side ページ31
「さあ、北斗…さっきの痛みで体力使って疲れただろ？まだゆっくり眠っていてもいいんだよ」
大我はそう言ってまた柔らかい毛布を掛けてくれたけど、俺は自分の足が不思議でならなかった。
本当に自分にくっ付いてるのかな…。
何度も触ったり、力を入れて動かしたりしてみた。
そんなことをしているうちに、俺は大事なことに気づいた。
『華鱗』
尾が消えてしまったけど、俺の『華鱗』どうなっちゃったのか。
足が生えた時に一緒に消えちゃったのかな…？
いや、そんなことはない！
アレは特別な鱗だから！
俺は右の腰を何度も触ってみた。
俺の『華鱗』はこの辺りにあるはずなんだ。
でも鱗らしきものは付いてなくて…サラリとした肌の感触しか無かった。
「どうしたの？北斗、何か腰が気になるの？」
「大我…あのさ、俺の右の腰の辺りに何か付いてない？」
大我に腰の後ろの方も見てもらった。
「何もついてないよ」
やっぱり無いのか？
どこに行ってしまったのかな…。
「本当？えっと、桃色の鱗…花びらの形をした鱗ない？もしかして…落ちてないかな？」
「探してみようか？」
大我は浴室からベッドまでくまなく探してくれたけど俺の『華鱗』は落ちていなかった。
「何か、大事なもの？」
「…うん…ちょっとね…。あの、もし見つけたら俺の鱗だから、返して欲しいんだ」
「分かったよ。城のみんなにも探すように言っておくよ。でも、そうだねぇ…もしかしたらその鱗、尾から二本足に変化した時に体に吸収されたのかもしれないよ？」
「そうなのかなぁ…」
俺は不安だった。
俺の『華鱗』…本当にどこにいっちゃったんだろ…。
『華鱗』がないと海に帰っても息ができない。
海で生きられない。
大我の言うように尾から二本足になった時に体内に吸収されちゃったのかな？
そんなことってあるのかな…？
『華鱗』は特殊で。
硬くて丈夫な鱗で、体に吸収されるなんて聞いたことがない…。
でも、人間の大我に『華鱗』の秘密だけは明かせない。
なんとか探し出さないと、次の満月に海に帰れなくなる…。
大我がお城のみんなで探してくれるって言ってたから、なんとか見つかればいいけど…。
「ねぇ大我、鱗が見つかったら必ず俺に教えてね？俺に返してね、お願い！」
「大丈夫、分かったよ北斗」
人魚の命である『華鱗』が無くなり、俺は不安でたまらなかった。
※きょもちゃん…ワルですな…笑
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おゆまる(プロフ) - 名もないさん» 早速なおしました！教えて頂きありがとうございました！ (2021年9月18日 18時) (
レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
名もない - 36お城の「練習しようよ」が「練習ようよ」になってます！ (2021年9月18日 17時) (レス) id: 41a47282a9 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - リおさん» コメントありがとうございます！めっちゃ面白いって言っていただけて嬉しいです(o^^o)他のお話も読んでいただいてるんですね、嬉しいです！更新は不定期になりますが頑張ります！ (2020年6月8日 9時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
リお(プロフ) - めっっっちゃおもしろいです（ ; ; ）更新頑張ってください…！おゆまるさんの作品全部大好きです…！！ (2020年6月3日 21時) (レス) id: 1a67c38f2a (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - 腐女子ちゃんさん» いつもコメントありがとうございます！ほくちゃん…初恋に戸惑ってます。すれ違いってツラいですが、ほくちゃんには最後は幸せになってもらう予定です！ 更新頑張ります(o^^o) (2020年5月31日 16時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆまる
| 作成日時：2020年4月5日 23時
