２７ お城 北斗side ページ28
「北斗？」
大我が戻ってきた。
「北斗、1人にしてごめんね、苺は食べた？」
「うん。食べちゃった…」
大我に教えてもらった「イチゴ」はとても美味しくて…お腹が空いていたから全部食べちゃったんだ。
「いいよ、気に入ったみたいで良かった。また持ってきてあげるね。
…北斗、実は北斗にお願いがあってね。
飲んでもらいたい薬があるんだ。
人魚の北斗が陸で生活するのに大切な薬なの」
大我の手には綺麗な瓶があって、その中に水薬が入っていた。
薬？なんか、あやしい…。
「…くすり…？ホントは…毒じゃ…」
「毒じゃないよ。北斗のことは絶対に殺したりしないから！信じて！
これから次の満月までは陸で過ごすだろ？人魚の北斗が陸で生きていくのに必要な、大事な薬なんだ。北斗、お願いだから飲んでほしい」
大我が俺の目を見つめながら真剣な顔でお願いしてきた。
「…うん…分かった…」
「じゃあ北斗、これを…」
大我は俺に手にしていた瓶を俺に渡してきた。
瓶の中の水薬は、太陽の光に反射してキラキラ輝いてる。
本当に毒じゃないのかな…。
大我は俺のことをじっと見ている。
大我の目は真剣で綺麗で…嘘をついてるようには見えなかった。
「北斗、飲んで？」
大我に促され、俺は瓶の蓋を開けた。
瓶の中から甘い匂いがした。
そして…俺はその水薬を一気に飲み干した。
水薬が喉を通った、その瞬間…
「あっ……！！うあっ…！熱っ…熱い！いた、痛い…！！」
身体中が燃えるように熱くなり、そして、身体がギシギシと骨が砕けるような痛みが走った。
俺はあまりの痛みに浴槽の中を転げ回った。
はあ、はあ…身体が熱くて痛いよ…死んじゃう！
「ほ、北斗…！！」
大我は水に濡れるのもかまわずに浴槽に入ってきて、俺を強く抱きしめてきた。
「た、たい、が！熱い…痛い…いっ…ああぁっっ！！」
特に下半身が猛烈に痛くて苦しい…！
下半身が砕けてしまいそうだ。
あぁ、大我に騙されたんだ。
やっぱりあの水薬は毒だったんだ。
毒を飲ませて…食べられてしまうんだ。
大我を…人間を信じなければよかった…結局、人魚は人間に食べられてしまうんだから。
あまりの体中の痛みが激しくて、頭も割れるように痛みだし…
もう俺は意識を保つことができなかった。
意識を手放す瞬間に見えたのは、
何故か俺を騙した大我が必死な顔をして俺を抱きしめている姿だった。
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おゆまる(プロフ) - 名もないさん» 早速なおしました！教えて頂きありがとうございました！ (2021年9月18日 18時) (
レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
名もない - 36お城の「練習しようよ」が「練習ようよ」になってます！ (2021年9月18日 17時) (レス) id: 41a47282a9 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - リおさん» コメントありがとうございます！めっちゃ面白いって言っていただけて嬉しいです(o^^o)他のお話も読んでいただいてるんですね、嬉しいです！更新は不定期になりますが頑張ります！ (2020年6月8日 9時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
リお(プロフ) - めっっっちゃおもしろいです（ ; ; ）更新頑張ってください…！おゆまるさんの作品全部大好きです…！！ (2020年6月3日 21時) (レス) id: 1a67c38f2a (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - 腐女子ちゃんさん» いつもコメントありがとうございます！ほくちゃん…初恋に戸惑ってます。すれ違いってツラいですが、ほくちゃんには最後は幸せになってもらう予定です！ 更新頑張ります(o^^o) (2020年5月31日 16時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆまる
| 作成日時：2020年4月5日 23時
