２２ 海中 樹side ページ23
樹 side
「おーい、高地、いま忙しいか？」
俺は高地のところに来た。
高地は俺達兄弟の一番上。
いつも優しくほんわかしてて、たまに大丈夫か？と心配になる時もあるが、いざと言う時は頼りになる。
高地は長子ということもあり、南の海の王様である父様の手伝いをしているからなかなか忙しいんだ。
「大丈夫だよー。樹、なんか慌ててるけど、どうしたの？」
「北斗が人間に捕まった！」
「え！…ホント！？」
「こんなこと嘘言ってどーするよ！」
「…だよね…。また、なんで…？あの慎重な北斗が…？」
高地は動揺していたけど、北斗が人間に捕われた事が不思議なようだった。
普段の慎重で、心配性な北斗の事を理解していればそう思うのは当然で。
「実はな…」
俺は慎太郎から聞いた話を高地に話した。
「慎太郎の為か…そっか…北斗らしいね…」
高地は眉間にシワを寄せながら話をじっと聞いていた。
「…このままにしとけないよ。人間が次の満月に北斗を海に返してくれる保証はない。
しかも、いま北斗がどんな状態なのか…水の中に入れてもらえてなければ…数時間で…！」
俺は自分で喋りながら、身体中が震えて感情が高ぶってるのが分かった。
「樹、落ち着いて…」
「高地は落ち着いてられるのかよ！心配じゃないのか？！」
思わず声が大きくなってしまう。
「バカ！大事な兄弟だ！心配に決まってる！だけど…いま俺たちが慌てたところで、いい策は出ないよ。だから、樹、一度落ち着いて？な？」
「…あ…ごめん…俺…」
涙がポタリと落ちた。
「大丈夫。樹が兄弟の中でも北斗と一番仲良かったし、可愛がってたのしってるから…泣かないで、樹」
涙が止まらない俺を高地がそっと抱きしめてくれた。
「樹？大丈夫？落ち着いた？」
「うん、ごめんな、もう大丈夫」
なんだか泣いたら落ち着いてきた。
そうだよな…冷静にならないと。
「樹さぁ…俺、さっきの話を聞いてて思ったんだけどさ…北斗はきっと大丈夫だと思う。ちゃんと生かされてると思う」
「え？…そうなん？！」
高地が、
『あくまでも、これは俺が樹の話を聞いて感じた事なんだけど…』って断りを入れつつ話し始めた。
「うん。たぶんその人間…北斗が最初から狙いだった気がするんだよ。
でも、それがマジで当たってたら…北斗が捕まったのは…本当に最悪だ…」
「な、な、なんで？」
「その人間、本当に…北斗を食べるつもりだ…」
「…！？！…」
樹の言葉はあまりに衝撃だった。
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おゆまる(プロフ) - 名もないさん» 早速なおしました！教えて頂きありがとうございました！ (2021年9月18日 18時) (
レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
名もない - 36お城の「練習しようよ」が「練習ようよ」になってます！ (2021年9月18日 17時) (レス) id: 41a47282a9 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - リおさん» コメントありがとうございます！めっちゃ面白いって言っていただけて嬉しいです(o^^o)他のお話も読んでいただいてるんですね、嬉しいです！更新は不定期になりますが頑張ります！ (2020年6月8日 9時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
リお(プロフ) - めっっっちゃおもしろいです（ ; ; ）更新頑張ってください…！おゆまるさんの作品全部大好きです…！！ (2020年6月3日 21時) (レス) id: 1a67c38f2a (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - 腐女子ちゃんさん» いつもコメントありがとうございます！ほくちゃん…初恋に戸惑ってます。すれ違いってツラいですが、ほくちゃんには最後は幸せになってもらう予定です！ 更新頑張ります(o^^o) (2020年5月31日 16時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆまる
| 作成日時：2020年4月5日 23時
