23.妹の為 ページ23
結局、私や義勇への処罰についても特におとがめはなく、柱合会議は終了した。
そうなると私は何のために会議に呼ばれたのかしら?
炭治郎くんが去ったとき一緒に帰れば良かったわね。なんて考えていると鋭い視線を感じて、そちらへ振り向く。
「実弥、何か話があるなら早く言ってくれる?」
「…何でお前はあいつらの肩を持ったんだァ?鬼のこと…許せねェんじゃなかったのかよ」
睨みを利かせて実弥が尋ねてくる。
「………鬼は許せないわ。でも、家族を大切に思う気持ちも分かるもの」
まっすぐに彼を見る。
「私は炭治郎くんと一緒よ。Aの為に、ここにいるから」
伝えると納得してくれたのか「そうかよ」と背を向けて去っていった。
*****
隠の背中に乗せられて、お世話になっている蝶屋敷へと戻ってきた。
間借りしている自室へ入ると机の上に書物が置いてある。
Aと交互にやり取りしている日記だ。
任務の関係で文を送ることもあるけれど、この日記でお互いに近況を報告し合っている。
昨日Aに文を送ったばかりだから、まだ妹から返事は来ていない。
それでも、私が昼間からここへ帰ってくることは中々ない。
だから、筆を取ることにした。
それは少しでもあの子と言葉を交わしていたい一心だった。
暫くして書き終わったそれを布団に寝転びながら読み返す。
文章に納得した私は書物を閉じると隣のAの部屋に移動して、それを彼女の机の上に置いた。
途端に眠気が襲ってきて欠伸をする。
しのぶちゃんに挨拶しておこうと思ったけれど、柱でもない私が柱合会議に呼ばれていたせいで、昨日の夜から殆んど眠れていない。
しのぶちゃんには悪いけれど、眠気には勝てない私は眠ることにした。
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月見(プロフ) - おしゅらさん» ありがとうございます!ゆっくりとマイペースで更新頑張りますね(*^^*) (2021年10月13日 21時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
おしゅら - ゆっくりで構いませんよ(*´ー`*)気長に待っていますので月見さんのペースで更新なさってください(^^) (2021年10月13日 18時) (レス) id: 2609acdfa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2021年9月12日 12時