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3.その人は後藤 ページ3

「おい!A!しっかりしろ!」

声をかけても青い顔をした後輩は目を開かない。


まじか。
コイツ、完全に気絶してやがる。


「こんなところで参ったな!おいおいおい!」

仕方なくAを背負うと、太い木に彼女の身体をもたれかけさせる。


さて、どうしたものか………

途方にくれてきょろきょろ辺りを見回していると、後ろから声をかけられた。


「あら?後藤さんじゃないですか?」

振り返ると、伸びている筈の後輩が立っているではないか。

「………A、お前気が付いたのか?………ってか、頭巾外してどうした」

言えば彼女が笑う。

「違いますよ。妹じゃなくて姉の琴音です」

上品に笑うその人は確かにAとは仕草も口調も雰囲気も違っていた。

姉と聞いて、瞬時に理解する。


琴音、つまりは階級甲の隊士だ。


「失礼しました!」

さっと跪くと「いいんですよ、いつも妹がお世話になっています」と逆にお辞儀をされる。

「この先はまだ鬼が居るみたいなので、私の後ろをゆっくり付いてきてください」

言うと「カナヲ!」と蟲柱様の継子を呼ぶ。

サッと蟲柱様の継子が現れると、彼女から淡い青と水色の市松模様の羽織と刀を受け取った。


「いつもごめんなさいね。ありがとう」

琴音が言うと「師範からの命なので」と淡々と話す彼女の頭を撫でている。

普段あまり感情を表に出さない継子が恥ずかしそうに照れたような顔をした。


「では、行きますよ」と琴音が走り出す。

置いていかれないように気を付けながら、ある程度距離を保って、後を付いていく。

移動しながら隊服の上から羽織りを着て、付けていた簪を外した彼女。


綺麗な長い髪が一束背中に流れた。


双子とは聞いていたが………こうも変わるのか。


こりゃ、みんなから“女神”と言われるだけのことはあるな。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 冨岡義勇 , 不死川実弥   
作品ジャンル:アニメ
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月見(プロフ) - おしゅらさん» ありがとうございます!ゆっくりとマイペースで更新頑張りますね(*^^*) (2021年10月13日 21時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
おしゅら - ゆっくりで構いませんよ(*´ー`*)気長に待っていますので月見さんのペースで更新なさってください(^^) (2021年10月13日 18時) (レス) id: 2609acdfa8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月見 | 作成日時:2021年9月12日 12時

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