16.思惑 ページ16
遡ること数時間前。
しのぶはたった今自らの手で気絶させた彼女を抱き留めていた。
「胡蝶…」
名前を呼んでくる冨岡に振り返らず答える。
「仕方ありません。こうでもしないと、琴音さんはこの後の柱合会議に来てくれませんから…」
「まるで人質みたいな言い方だな」
「人質、………ですか………。言っておきますけど、冨岡さんも琴音さんも先程の行動は隊律違反にあたります。他人事のように仰っていますけれど、大人しく付いてきてください」
「…。」
「では冨岡さんは産屋敷邸の近くまで彼女のこと、宜しくお願いします」
にこっと微笑んでしのぶは腕の中でグッタリとしているAを冨岡に預ける。
渋々と言った表情でAを受け取った冨岡。
Aの閉じられた瞼を見つめる義勇の姿を見ても、しのぶには彼が何を考えているかは分からなかった。
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月見(プロフ) - おしゅらさん» ありがとうございます!ゆっくりとマイペースで更新頑張りますね(*^^*) (2021年10月13日 21時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
おしゅら - ゆっくりで構いませんよ(*´ー`*)気長に待っていますので月見さんのペースで更新なさってください(^^) (2021年10月13日 18時) (レス) id: 2609acdfa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2021年9月12日 12時