14.木の上 ページ14
がやがやと人の話し声が耳に届いて目を開ける。
もう日が昇り始めていて、朝焼けが私の瞼に眩しく反射的した。
綺麗だなぁ。
あれ？
私何してたんだっけ？
そこまで考えて花の案内で那田蜘蛛山に後藤さんと入り込んだ事を思い出す。
それで確か蜘蛛が出て………
そこからの記憶がない。
「…。」
もしかして私、またやっちゃった！？
えぇ！？あんなに目覚めばっちりで起きて出掛けたのに！？
さぁぁぁぁっと青ざめて勢い良く体を起こす。
と、今度は別の意味で青ざめた。
「きゃああああああ！！いぃゃあああああ！！！な、ななななんでぇぇぇっ！？」
あたふたとして危うく落っこちそうになる。
ヒィッと背筋を伸ばして体勢を立て直した。
「おーA、目が覚めたか」
声がして下を見ると、眩しそうに額に手を当てて此方を見上げる先輩の姿。
「ご、後藤さん！」
「お前にしては意外と早かったな」
「私、どどどうしてこんなところに！？」
がしぃっと太い幹にしがみつく。
そう、気が付いたら木の上にいた。
しかも凄く高い。
とても降りられたものじゃない。
落ちたら間違いなく無事では済まない高さだ。
「あー、それはだな………」
「そ、それは？」
ごくっと唾をのみ込んで次の言葉を待つ。
けれどその答えは別の方角から返ってきた。
「大方、寝惚けて何時ものように登ったのだろう」
「ぎ、義勇！………じゃなくて、水柱様！」
此方を見上げる彼にパンッと両手を合わせる。
「お願いします！私をここから下ろしてください！」
「…。」
何で俺が下ろさなくてはならない？と言いたげな視線が突き刺さる。
うぅ〜！
「私が高いところ苦手なの知ってるでしょ！」
「…A、お前なら降りられる」
「無理です！！」
「出来る」
「だから、無理だって…！」
言い返そうとしたとき、木の幹から手を離していた事を忘れていた私はバランスを崩した。
「っ、きゃぁぁぁ！？」
落ちていく感覚に悲鳴を上げる。
頭が真っ白になっていたけれど、“終わった”と言うことだけはよく分かった。
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月見(プロフ) - おしゅらさん» ありがとうございます！ゆっくりとマイペースで更新頑張りますね(*^^*) (2021年10月13日 21時) (
レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
おしゅら - ゆっくりで構いませんよ(*´ー｀*)気長に待っていますので月見さんのペースで更新なさってください(^^) (2021年10月13日 18時) (レス) id: 2609acdfa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2021年9月12日 12時
