89☆* ページ41
.
『ね！！！ほら寂しいんでしょ？！！一緒に寝てあげるから！！！！』(必死)
「いや、え？俺は別に嬉しいけどなんでそんな必死なん？」
端は確定で幽霊に狙われるから真ん中を取ろうと双子をいそいそと端へ追いやって真ん中に空間を作る。治の言葉なんて二の次だ今はなるべく幽霊から目をつけられない場所を確保せねば！！！
いそいそとなぜか必死に双子の間に入っていこうとする庵を見て疑問に思った宮治は、ふとあることを閃いた。
寝る前、俺たちは映画を見た。それも心霊もんを。あれは特に幽霊っちゅうもんを信じとらん俺でも少々怖かったと思う。心霊、夜、そして庵の必死さ。
もしかして庵…怖くて寝れんかったんか…？
「わっ」
『ﾌﾞﾜｯｯ』
少し小さめの声で脅かせば、案の定変な声を出して瞬間的に布団で顔を隠す庵。ほぉーん、なるほどそういう事か。
自分でもにんまりと自分の口角が上がったのがわかった。
『おおお治！！脅かすなや！！！！』
「ん？俺なんも言ってへんで。」
『ううう嘘でしょ？！ねぇ嘘って言って！！！ちょ！！ねぇ！！！！』
「あ、庵後ろ…」
『ｿﾞｫｫｵｵ!!!』(？)
布団から飛び出して治を盾とするように治の背中に回る庵。例え驚く時にあげる声が全く女子っぽくなくても治にとってはただただ可愛く見えた。好きな子に意地悪したくなる小学生の気持ちがよくわかった治だった。
幸い侑は1度寝たら起きることなんて滅多になく、今もうるさい寝言を言い続けすやすやと眠っている。庵の弱点を知ったのが自分だけであるということに治は優越感を覚えた。
「庵。」
『なんだよもう分かってんだろ？！！』
「おん。オバケ嫌いなんやな。」
『そうですよだから一緒に寝よう？！！』
必死に治の肩を揺らす庵の手を一旦避けて治は自分の布団に入った。そして侑に背を向ける形で自身の前に空間を作りその場所をポンポンと叩いた。
「寝るならここで寝ぇや。あったかいしちょうどええわ。」
『感謝っ！！！！！』
警戒心もなくすぐに俺の腕の中に収まる庵に、意識されてないんやなと思って悲しくなったが、あったか！！と嬉しそうに笑っている庵を見ればそんなこと今はどうでも良くなる。まだまだ時間はある。こっちは何年初恋をこじらせてると思ってんだ。
「おやすみ。」
まだ布団に入って五分も経っていないのに、もう安心しきって寝ている庵の額に治は自身の唇を近づけた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 531人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
優雨-ゆうあめ-(プロフ) - 紅さん» コメントありがとうございます！皆さんに楽しんでいただけるよう製作中なので少々待っていてください！ (2023年3月14日 6時) (
レス) id: d60abc6b35 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2023年3月14日 6時) (レス) id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
優雨-ゆうあめ-(プロフ) - mooさん» コメントありがとうございます！！パート１でもコメントしてくださって...本当に感謝しかないですｯ！！！ (2023年2月9日 12時) (レス) id: 79e0660dd9 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - ハイキューの世界観に夢主ちゃんがハマり過ぎて面白いです！ (2023年2月9日 11時) (レス) @page42 id: 8c70df45d4 (このIDを非表示/違反報告)
優雨-ゆうあめ-(プロフ) - 奥山乃愛さん» コメントあざまぁぁっす！！ (2023年1月23日 19時) (レス) id: 12d19b95d0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：優雨-ゆうあめ- | 作成日時：2022年10月29日 18時
