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「ーーーで、この2つの式を連立させて〜〜…」
授業も進み、日にちを重ねるごとに蒸し暑くなってきたこの頃。懐かしすぎる連立方程式の説明を左から右に脳に1ミクロンも入れることなく流していると隣から届いた小さな紙切れ。どうでもいい2文字に思わず吹き出しそうになった。
"眠い"
"起きろ飛雄"
"庵が話しててくれるなら起きる"
『…は?可愛いかよ。』(小声)
なんだお前、尊いか?尊いの塊なのか??何可愛いこと言ってくれてんの??もう惚れるよ??惚れちゃうけど??(パニック)
席替えを何度がした結果今回は飛雄が隣になった。その時の飛雄と言ったらもう…もう可愛かった。ただただ可愛かった。満面の笑みで「よろしく」なんてもう、控えめに言って100万回愛した。(重すぎる愛)
"なんで式が2つあったのに急に1つになんだよ"
"あー、あれだよ、多分、メガシ●カ的な"
「め●しんか…」(困惑)
すごい眉間に皺を寄せて紙切れと黒板を見つめる飛雄に思わず笑いそうになった。終いには「なんかかっけーのな」とぽつりと言っててガチで笑いをこらえるのに必死になった。腹痛いわ。笑いこらえすぎて。
笑いの波が収まった頃、あたしはふとあることを思い出した。
"そういえばあたし、夏休み初めの2日間部活休むわ。"
「は?!」
『うぉ。』
本当にあの飛雄から出た声なのかと疑いたくなるほどのクソデカボイスとともに椅子から立ち上がった飛雄。うるせぇし急におっきい声出すなよびっくりしちゃうだろ?それと飛雄…
君、今が授業中なの覚えてる?
「影山…」
「あ。」
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「で、どうして休むんだよ。」
『散々怒られたあとでもきっちり覚えてんのね。』
あの後誰と話していたのかもバレてあたし諸共数学の先生にしっかりと注意を受けた。それも数学の先生と言えば関係ない話からも引っ張って怒り始める面倒臭い先生で、ただただ面倒くさがった。本当に。じゃあどうして怒られるようなことをしたのかって?…まさかあそこであんなに飛雄が反応するとは思わないじゃん?そういうことだよ。(?)
『東京に従兄弟がいんのこの前話したじゃん?』
「おう。」
『その人の家に久々に行くからちょっと休み貰ったって訳。』
「ふーん、とうきょうってどこだ?」
『めっっちゃ聞いたことあるなその質問。』
まぁ、とりあえずわかった。と真顔で言う飛雄は果たして本当に分かっているのだろうか。
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優雨-ゆうあめ-(プロフ) - 紅さん» コメントありがとうございます!皆さんに楽しんでいただけるよう製作中なので少々待っていてください! (2023年3月14日 6時) (レス) id: d60abc6b35 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2023年3月14日 6時) (レス) id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
優雨-ゆうあめ-(プロフ) - mooさん» コメントありがとうございます!!パート1でもコメントしてくださって...本当に感謝しかないですッ!!! (2023年2月9日 12時) (レス) id: 79e0660dd9 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - ハイキューの世界観に夢主ちゃんがハマり過ぎて面白いです! (2023年2月9日 11時) (レス) @page42 id: 8c70df45d4 (このIDを非表示/違反報告)
優雨-ゆうあめ-(プロフ) - 奥山乃愛さん» コメントあざまぁぁっす!! (2023年1月23日 19時) (レス) id: 12d19b95d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優雨-ゆうあめ- | 作成日時:2022年10月29日 18時