p e r f e c t _ 5 (ページ35)

今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:102,159 hit

219 ページ35

.

ハワイでの、ファンクラブイベントが行われた。

もちろん私も例外なく、借り出されるわけで。
それは当たり前のことなんだけど、

海外経験なんてほぼほぼないに近いから。

「疲れた、頭使う、」

慣れない言葉が周りを走るなか、
それを理解するまでに時間がかかる。

それがあまりのストレスになるのに
なんとなく気づき始めていて。

現地のスタッフはもちろん英語を使う。
だからこそ、わからないことを理解するのも
時間がかかるが、

こちらが伝えたいことを理解してもらうことにも時間がかかる。

「あー…えーと、」

ボディーランゲージでなんとかなるとかいうけど、
それにも限界があって、

そんな時、

與「なんかあった？」

「與さん、…あ、」

與「伝えようか？」

「すみません、」

現地のスタッフと話してる最中、
私が伝えられないことに気づいたのか、
スタッフの中でも、もちろんメンバーの中でも
群を抜いて英語ができる與さん。

すらすらと、言葉と身振り手振りで言葉を発していくのを
横で見守ってるしかなくて。

與「はい、これでええって。」

「ありがとうございます、助かりました。」

與「最初から言うてくれればよかったんに。」

「いやそんなわけには、」

與「…、」

「ん？」

與「にっしーとうまくいってる？」

「え！？あ、…そう、ですね。」

與「ならええけど、」

にっこりと、と笑うその姿。

そういえば、前に與さんにまで
迷惑をかけたことがいくつかあった。

その度、何も言わずに、
背中だけ押してくれたこともあって。

ちゃんとした感謝もできてなかったから。

「あの、色々ありがとうございます。」

與「色々？」

「…その、前も。」

與「あー、別に。でも、なんかあった時に貸しをつくったほうがええやろ？」

「貸し？え、そう言うことですか、」

與「あっはは、冗談やから。半分。」

「半分って、」

與「俺らにもいろいろあるから、」

彼が言う、色々というのが、
今後のことなんてあまり気づいていなくて、

それでも、冗談のように、
背負わせるような言葉を言わなかったのは、
與さん自身の、優しさだと言うことだけは、

後ほど気付くことになる。

→