p e r f e c t _ 5 (ページ33)

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西「今日ドラマ打ち合わせあったらしいじゃん。」

「打ち合わせ、っていうか、顔合わせかなぁ。はい、上もらう。」

西「ん、ありがと。」

帰ってきた西島くんの上着を受け取って、
リビングに足を進める彼の背中を追う。

少しずつ、二人での生活に慣れてきた。

まだ、私が入ってた部屋は空けてはないんだけど、
それでもこうして別々での仕事が増えても
やっぱり一緒に生活することがちょっとした幸せでもあって。

ただいま、と、おかえり、が交差する幸せを
肌で感じていた。

西「お前さ、わかってると思うけど、」

「なにー？」

西「なにじゃねーよ、…」

部屋から部屋着に着替えた西島くんが、
キッチンカウンターの肘をついてこちらに顔を向けてくる。

その前にお皿を置くと、
文句も言わずに取ってリビングへ。

私も飲み物を入れてからリビングに行って机に置く。

一人分の軽い食事と、二人分の飲み物。

揃いのマグカップ。

西「まだ、そっちのあれ解決してねぇんだから気を付けろよ。」

「ん？」

西「…この前危機感がないって言ったよな？」

「あー、…うん、気をつけるよ。でもドラマの方の仕事のほうが一人になることは少ないだろうから大丈夫だとは、」

西「思うだけ。今までだってそうだろ、ちょっとは危機感持って。」

「…うん、ごめん。」

西「ちゃんとした撮影はいれば一緒にいれるんだけどなぁ、それももうちょい先だから。」

「そうだね、気を付けておきます。」

西「はい、よろしくね。」

ぴこん、と小さな音が鳴る。
携帯の画面に目を向ければ、
今日連絡先を交換した、ドラマサイドのスタッフさんからだった。

連なった言葉に、
優しさが滲み出るような文章。

初めての仕事ってこたもあったし、
不安もたくさんあったけど、
すごくやさしそうな人たちで良かったなと、
連なった言葉に、文字を返す。

西「なに？」

「え？」

西「今日の人たち？」

「うん、衣装班の人たち。せっかくだから連絡先交換しようかってなって、すごくいい人たちでよかったよ。」

西「…ふーん。」

唇で、箸先を加えたまま
画面に目を向けてくる西島くん。

なんだかちょっと不満そうな顔。

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