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『結構衣装の幅は広がると思うから、』

次の日、多くの余韻もなく
私は朝から西島くんが出るドラマの衣装さん関係の方々と打ち合わせに来ていた。

全体の顔合わせは来週、
スタッフ同士の顔合わせもあるみたいだけど
衣装の手配のこともあるからと、先に顔合わせすることも少なくはないみたい。

その辺は雑誌の打ち合わせと近い気がする。

「ドラマの方はお手伝いさせていただいたことがないので、ご迷惑おかけしてしまうかもしれませんが、」

『でもみんなそんなもんだよね最初。』

『私も最初そうでしたよ(笑)』

「え、そうなんですか？」

『そうそう、あ、そっか、片倉さんって雑誌からそのまま入ったんだっけ？』

「そうなんですよ、」

スタイリストの先輩に、AAAのスタッフになってから聞かされたなかなかない道からの着任。

だから珍しく、私はスタッフの横の幅が少ない。

雑誌のお仕事をしてた時の知り合いや、先輩は
いまだにまだお仕事をさせてもらったり
もちろん連絡をさせてもらったりはするけど、

私の横の幅は、そこ止まりで、
逆を言うと、雑誌でお世話になったブランド系の方との幅はかなりあると思ってる。

それが生かされてると思ってるし、
だからこそ、今ここに入れてると思ってる。

『せっかくだし、連絡先交換しません？』

『あ、ナンパ。』

『違う違う、3人でだよなんで俺だけ(笑)』

「あはは、是非お願いしたいです。私この業界でなかなかご連絡とれる方いなくて。」

『そうなんですか？じゃあ、お願いしよ！せっかくなら、ご飯とかも行きたいですし』

『あ、そこ同世代？』

『ちょっと私の方が年上かなぁ、』

なんだか久しぶりで、不思議な感覚。

いつも、近いところでの仕事仲間と話すことはあっても、
こうやって、別現場で、一人で過ごして幅を広げることってなかなかなかったから。

新鮮で、楽しかった。

『と言うことで、これが演者関係の資料です。』

「…うわ、すごい、」

『ちょっとした変化とかも対応しておかないとなんで、何か気づいたことがあったらすぐにお願いしますね！』

「了解です、」

そんな感じで始まった、
はじめてのドラマのお仕事のお手伝い。

不安もあったけど、楽しさと新鮮さが上回る始まりだった。

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