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203 ( side Nishijima ) ページ19

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事務所に戻る道中に寄ったコンビニ、
車を降りてからなにやら電話をしてるみたいで。

スモークの貼った窓から様子を眺める。

特に変わった様子はなかった、
なのに、店から出てくるときに急に立ち止まって、挙動不審。

なに、なんなのその顔。

大方相手は、スタッフか。

そうなれば連絡は、きっと二人のことだろう。

なんかあったんだろうか、とふと携帯を見れば
直也くんから連絡があったことを知らせる通知。

不在着信、そしてライン。

un二人。無事でした、明日は変わりなくやります。
unそれと、外出るなら流石に俺くらいには連絡しといてよ?マネージャーさんから聞いたからいいけど。

実は、メンバーにさえ伝えてこなかった。
マネージャーにだけ伝えて、
というか、説得して、ほぼほぼわがままだけど。

でも、直也くんには伝わったか。

と、あとでどうせ怒られるだろうから言ったって言わなくなって同じだ、と
言わないで来たのに、

一言で俺は心を傾けた。

unAちゃんの方に連絡するね。

下げてた目線をあげて、
視線は再びスモークの貼った窓ガラス。

ちょうど電話を切ったところのAが
車に戻ってくるところで。

「ごめん、」

西「…いや、待ってはない、けど、」

「あ、そ、そうだ、日高さんと理央さん、二人とも大丈夫だったって。連絡きた、」

西「そっか。」

「明日も変わりなくやるらしいから、変え取ったらすぐに戻るよ。」

かちゃ、とシートベルトを止める音。
ゆっくりと振り返ったAから受け取る茶色いカフェラテ、

入れたばかりではあり得ない、水滴が二人の間に落ちる。

西「誰からの電話だったの？」

「え、？」

西「電話、してたんでしょ？だれからそれ聞いたの？」

「…スタッフ、の人、」

西「本当に？」

「なんで、本当に、」

西「直也くんから連絡あった。Aの方に連絡するねって。」

なんで、隠すの。

さっきの、表情は、なんだったの。

なにを、言われたら、

あんな顔するの。

西「直也くんから、なにを言われたの。」

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