41. ( side Hidaka. ) ページ43
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視線が絡まる。
あれ、こいつ俺が思ってる以上に可愛いな、
その瞳で、何人の人を落としてきたんだろう
自然とその瞳に吸い込まれるように近づいていく。
あと数十センチ、
引き込まれるその瞳から目が離せなくて、
「こら、 なにしてんの。」
日「あう。」
ぱしん、と顔に当たるのは多分タオル。
俺が一回寝た時にも額にあったものと同じもの。
意識がはっきりと戻っていく。
( あれ俺今、なにしてたんだ、)
日「なんか今すごくいい雰囲気だった気がする、」
「バカ言わないの、いいから向こう行け。」
日「はぁい。」
いつものちょっとだけ冷めたあの目で、
再び俺の目を捉える彼女も、
なんだか雰囲気に当てられてる気がして、
悪い気はしなかった。
* * *
寝室に行け、と言われたけど
飲んでから行くと言ったら納得してくれてらしく、
ソファに並んで俺の前にカップを置くA。
「まだあったかいから大丈夫だと思うけど、」
日「ん、サンキュ。…なんの匂い?」
「マーマレードだと思うよ、紅茶にマーマレードと生姜入れてるの。寒いだろうから、あったまる方がいいと思って。喉やられてるわけじゃないからさ、レモンとかそういうのじゃなくても大丈夫でしょ?」
日「ふぅん、…いただきます。」
口に広がるのは、甘さが控えられた紅茶と
甘いマーマレードの味。
風邪ひいた時に飲むものって言えば、なんか酸っぱいもののイメージが大きかったけど、
こういうのもあるんだな、って感心。
「飲んだら寝てね。」
日「うん、そうする…」
「…なに?まだあるから、そっち置いとくし、また飲むなら自分でやってね。」
それだけ言って、ソファから立ち上がる。
隣にあった温かさは次第に無くなっていって、
咄嗟に手を伸ばした先にあるのは、
お前の腕。
日「ここにいて。」
俺の言葉に、揺れるAの瞳。
なんでだろう、
今は、お前にいてほしい。
理央でもなく、
だれでもなく、
俺のそばに、お前が、
不確かかもしれないけど、
今はお前の、Aの温もりが、そばに欲しいだけ。
ふと、思う、
( 俺は、あいつのことが好きだったはずで、)
でも、いつからか、
あいつの笑顔が見れれば
それでいいと、思えるようになっていて、
「 気の迷いは良くないよ、日高くん。」
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rio(プロフ) - ひーさん» コメントありがとうございます(*`∀´*)だいぶ進んできました〜!これからも楽しみにしていただけると嬉しいです!よろしくお願いします! (2019年1月3日 1時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
ひー(プロフ) - きましたね〜楽しみです! (2019年1月3日 1時) (レス) id: 3bb3b1d8ec (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - ひーさん» コメントありがとうございます!ありがとうございます〜!まだまだお話は続きますので、これからもよろしくお願いします(*`∀´*) (2018年12月15日 23時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - あきさん» コメントありがとうございます!遅くなってしまってすみません(´._.`)他メンはまだ出るつもりですが、後輩くんはこちらのお話には出てくる予定は今のところはありません、ですが別のお話には出てきてますのでよかったら見てくださいね* (2018年12月15日 23時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
ひー(プロフ) - 黄色さんのキュンキュン大好きです!待ってます! (2018年12月11日 0時) (レス) id: 3bb3b1d8ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:rio | 作成日時:2018年9月7日 20時