検索窓
今日:16 hit、昨日:12 hit、合計:101,756 hit

32. ページ34

.




カウンターでお酒を作りながら
私の目線はフロアに向いていた。

ここ最近はあまり表立って自ら上がることのなかったフロアのステージに、
マイクを持って対面するその姿は
なんだか久々に見た気がする。


ここに来てるあの人のため。



フロアのステージは、上の階の部屋からも見えるから
多分言われたんだろう、
日高くんは上の階に、あの人たちを追って入った後
少ししてからステージに降りてきた。


突然のステージ降りにフロアは盛り上がっていたし、
浮き立つお客さんは自然とお酒の量も増えるし、
私たちからしてるありがたい事。



なのに、それがあの人のためだって思うと、
どうも気分は上がらない。



そんな時、おねーさん。と声をかけられる。




「あ、はいっ…って浦田くん。」

浦「やっほー、先に来てる?」

「来てますよー、上の階にいます。」

浦「おっけー、あ、珍し、日高あっちいんだ。」

「…みたいですね。」

浦「はは、一杯ちょーだい。Aの分も。」

「…ありがとうございます、いただきます。」



遅れてくるように浦田くんがきて、
慣れたようにお酒を持って上の階に上がっていく。


あんなことを思いながらも、
私の目線は日高くんに向いたまま、


あの歌は、あの声は、
全部あの人に向けて綴られてるから。




「はぁ、持ってくか、」




カラカラと音のなるグラスを引いて、
中に声をかける。




* * *





日「お、さんきゅ。」

「私今日カウンターしか出ないから、あとは中の子に声かけて。」

日「え?上がってくればいいのに。」

「今日は無理です〜、暇じゃないんで」

日「今日代わりいないの?」

「いないの。じゃあこれ、あとは中の子に行ってね。」



日高くんがフロアから戻るのと同時に
私は上の階に代わりのお酒を渡しに行った。


だいたい日高くんが上にいる時は
顔を出して、中にいることも多々あるけど
今日はなんせ出番だったりして代わりもいないから
と、断ったのだ。


それと、日高くんがあの人を見る瞳を
見るのが辛かったから。



今の私には、耐えられない。




日「A〜?」

「なに、」

日「んーん、また来るから。」

「ん、ご贔屓に〜。」




優しさが、その優しさが辛いから。





33. ( side Nishijima. )→←31. ( side Hidaka. )



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (75 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
258人がお気に入り
設定タグ:日高光啓 , SKY-HI , AAA
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

rio(プロフ) - ひーさん» コメントありがとうございます(*`∀´*)だいぶ進んできました〜!これからも楽しみにしていただけると嬉しいです!よろしくお願いします! (2019年1月3日 1時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
ひー(プロフ) - きましたね〜楽しみです! (2019年1月3日 1時) (レス) id: 3bb3b1d8ec (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - ひーさん» コメントありがとうございます!ありがとうございます〜!まだまだお話は続きますので、これからもよろしくお願いします(*`∀´*) (2018年12月15日 23時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - あきさん» コメントありがとうございます!遅くなってしまってすみません(´._.`)他メンはまだ出るつもりですが、後輩くんはこちらのお話には出てくる予定は今のところはありません、ですが別のお話には出てきてますのでよかったら見てくださいね* (2018年12月15日 23時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
ひー(プロフ) - 黄色さんのキュンキュン大好きです!待ってます! (2018年12月11日 0時) (レス) id: 3bb3b1d8ec (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:rio | 作成日時:2018年9月7日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。